Loading...

教養としてのワイン・高いワイン著者
渡辺順子氏 × TERRADA WINE MARKET特別企画 全4回

ボルドーを世界に知らしめたメドック格付

  • 2019.12.13

    教養としてのワイン・高いワイン著者 渡辺順子氏 × TERRADA WINE MARKET特別企画 全4回 vol.3 ボルドーを世界に知らしめたメドック格付

    ベストセラー『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』、『高いワイン』著者の渡辺順子氏による新刊記念企画の第3弾のテーマは「ボルドーの格付」。フランスを代表する銘醸地であるボルドーは、如何にしてその地位を確固たる物にしたのでしょうか。

    ボルドーワインの格付

    19世紀中頃、ボルドーワインを世界に知らしめた歴史的な出来事がありました。1855年に開催されたパリ万国博覧会にて、皇帝ナポレオン3世が世界中から集まる人々へのアピールを目的にメドック地域で生まれたボルドーワインの格付けを行ったのです。それが「メドック格付」です。メドック地区にあるシャトーの優劣を制定したもので、メドックでつくられるワインに1~5級の5等級で格付けが行われました。

    このマーケティングは大成功を収めます。ボルドーの豪壮なシャトーの姿とその赤ワインは世界中へと発信され、ボルドーワインのレベルを誇示する絶好の機会となりました。当時、この格付にエントリーしたシャトーは700とも1000とも言われますが、その中から選び抜かれた61のシャトーは現在も別格扱いであり、そのマーケティング効果は今なお続いています。現在ボルドーには約6000のシャトーが存在すると言われていますが、格付シャトーはその中のほんの一握りだけです。格付シャトーは、ボルドーワインのレベルをはかる指標にもなっています。

    メドック地区の赤ワイン

    メドック地区の赤ワイン

    その格付も1855年から大きな変更はありません。シャトー・ムートン・ロスチャイルド(ロートシルト)が2級から1級へ、シャトーカントメルルが5級に変更されましたが、それ以外は大きな変更が認められず、旧世界の歴史の重みを感じさせる存在となっています。

    1級シャトー

    メドック格付けにおいて1級を獲得したのが、ラフィット・ロスチャイルド(ロートシルト)、ラトゥール、マルゴー、オーブリオン、そして1973年に1級に昇格したムートン・ロスチャイルド(ロートシルト)です。この5つのシャトーは、通称「5大シャトー」と呼ばれ、歴史、品質、名声、そのすべてで1級に値する風格を持ち合わせた、ボルドーワインの絶対的な象徴として君臨しています。

    長い歴史の中でも5大シャトーは様々な逸話を残し、常に人々の所有欲や購買意欲を刺激してきました。たとえばベルサイユ宮殿での権力争いでもラフィット派とマルゴー派が登場し、ボンパトゥール夫人はラフィットを、デュバリー夫人はマルゴーを気に入り、そこでも二人は競い合っていたようです。今も昔も変わらず、人々のハートをとらえ続けるのが1級シャトーなのです。

    ただし、各シャトーは決してその歴史や名声の上にあぐらをかいているわけではありません。厳しい品質管理のもとトップを走り続ける努力を惜しまず、その結果、長年不動の地位を確立し続けているのです。

    • 【1級】シャトー・ラフィット・ロートシルト 2015

      【1級】シャトー・ラフィット・ロートシルト 2015

      商品を見る

    • 【1級】シャトー・マルゴー 2015

      【1級】シャトー・マルゴー 2015

      商品を見る

    • 1級ワインをもっと見る

    2級シャトー

    1級シャトーに続く2級には、14のシャトーが格付けされています。中でも1級にも負けない品質を提供し、味も価格も1級に近いシャトーは「スーパーセカンド」と呼ばれ、注目を集めています。その代表格が、「コスデストュルネル」「レオヴィルラスカース」「ピション・ラランド」「デュクリュボーカイユ」「モンローズ」などです。これらは、時に1級以上の評価を得ることもあり、毎年クオリティを高める注目のシャトーです。

    たとえば、コスデストュルネルは2級の中でも群をぬいて高品質なワインを提供するシャトーです。スーパーセカンドの筆頭と言われ、ラベルにも描かれるオリエンタルな雰囲気の醸造所が特徴的です。また、ラスカーズもスーパーセカンドの代表と称されるシャトーです。高級ワインを専門に取引するLiv-ex社の2017年の調査では、ボルドー左岸のシャトーで8番目に高い価格で取引されていることがわかっています。ラスカーズは、熟成後に醸し出されるビロードのような口当たりが特徴です。

    • 【2級】シャトー・コス・デストゥルネル 2015

      【2級】シャトー・コス・デストゥルネル 2015

      商品を見る

    • 【2級】シャトー・レオヴィル・ラスカーズ 2015

      【2級】シャトー・レオヴィル・ラスカーズ 2015

      商品を見る

    • 2級ワインをもっと見る

    3~5級シャトー

    3~5級には42のシャトーが選ばれました。ボルドーの黄金時代と呼ばれた格付け当時、1級、2級シャトーは海外や王室などに顧客を確保し、着々とシャトーを拡大していていきましたが、これら3~5級シャトーはフランス国内を中心にしのぎを削っていたのが実情です。その後も、ボルドーを襲った害虫フィロキセラ、戦争や大恐慌など、シャトーの維持すら困難な時代が訪れましたが、それらを乗り越えたのが今なお存在する3~5級のシャトーの面々なのです。

    中には、格付け見直しが行われれば、間違いなく昇格すると言われるシャトーも数多く存在します。たとえば、ハートのラベルでお馴染みのカロンセギュールは昔から根強いファンが存在し、格付3級の中ではトップに筆頭するシャトーのひとつです。また、一時は廃業寸前だったシャトー・デュアールミロンも、現在は1級シャトーであるラフィット・ロスチャイルドに買収され、「ラフィットのセカンドワイン」と呼ばれるまでに成長しました。また、現在もっとも成長株として注目を集めるのが「ポンテカネ」です。評論家の大絶賛をうけ、今後も価格の高騰が止まらないと言われています。

    • 【3級】シャトー・カロン・セギュール 2016

      【3級】シャトー・カロン・セギュール 2016

      商品を見る

    • 【4級】シャトー・デュアール・ミロン 2015

      【4級】シャトー・デュアール・ミロン 2015

      商品を見る

    • 【5級】シャトー・ポンテ・カネ 2015

      【5級】シャトー・ポンテ・カネ 2015

      商品を見る

    • 3級~5級ワインをもっと見る

    保管料無料キャンペーン 本特集で紹介されたワインを購入し、TERADA WINE STORAGEにお預けいただくと、半年分の保管料無料!

    本ページに掲載されているワインかつ、2019年11月18日~2020年2月29日の期間中にTERRADA WINE MARKETで購入し「TERRADA WINE STORAGEへ預ける」を選択頂いたワイン
    ※プリムールは倉庫への納品が2年後以降となるため、保管料無料特典の対象外です。
    ※保管開始月を含む6ヶ月分の保管料が無料となります。
     例:2019年11月10日に保管開始の場合、2020年4月30日まで保管料無料。

    TWSへの預け入れ方

    当マーケットでワインをご購入いただく際、配送先に「TERRADA WINE STORAGEへ預ける」を選択ください。 専用倉庫(温度14±1℃、湿度70±10%)にワインが到着し、撮影登録が完了しましたら、ご登録のメールアドレスへお知らせします。保管中のワインはマイページから自由にお取り出しいただけます。

    応募上の注意

    • 一度お預け入れいただいたワインのお客様都合によるご依頼キャンセル・返品は原則として承りできません。
    • 保管7ヶ月目からは月額保管料90円(税抜・750mlボトルの場合)が発生します。
    • お取り出しをご希望の場合は、通常のお取り出し送料が発生します。
    • 1500mlを越えるワイン、ギフト包装等の保管はできません。
    • その他、TERRADA WINE STORAGEの詳細はこちらをご確認ください。

    記事著者

    • 渡辺順子
    • 渡辺 順子
      (わたなべ じゅんこ)

      プレミアムワイン代表取締役。1990年代に渡米。1本のプレミアムワインとの出会いから、ワインの世界に足を踏み入れる。フランスへのワイン留学を経て、2001年から大手オークションハウス「クリスティーズ」のワイン部門に入社。NYのクリスティーズで、アジア人初のワインスペシャリストとして活躍。2009年に同社を退社。現在は帰国し、欧米のワインオークション文化を日本に広める傍ら、アジア地域における富裕層や弁護士向けのワインセミナーも開催している。

    • 高いワイン
    • 高いワイン

      渡辺順子・著
      ダイヤモンド社・刊

      7万部のベストセラー「世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン」著者:渡辺順子氏の新刊。一流ワインがより身近になる一冊。詳しくは こちら

    この人が書いた記事

    • 【教養としてのワイン】著者 渡辺順子氏 特別企画vol.1 フランス伝統のワイン文化

    • 【教養としてのワイン】著者 渡辺順子氏 特別企画vol.2 ガレージワインの火付け役

    • 【教養としてのワイン】著者 渡辺順子氏 特別企画vol.3 ボルドーを世界に知らしめたメドック格付

    • 【教養としてのワイン】著者 渡辺順子氏 特別企画vol.4 ブルゴーニュの一流ワイン

  • 関連記事

    新着記事