イタリア醸造地を語る vol.2~ピエモンテ編~
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2019.03.05
ピエモンテ州はイタリア北西部の州で、北はスイス、西はフランスと国境を接し、東はポー川の上流沿いにロンバルディア州の平原地帯へと広がっています。
ピエデ・モンテ「山の足」という名が示す通り、アルプスの山々の麓に広がる一帯は、チーズや穀物の産地として知られ、また豊かな水に支えられ、州の東部ヴェルチェッリを中心とする地域はヨーロッパ一の米作地帯として発展してきています。
南部はブドウ栽培も盛んで、千年以上の上級ワイン造りの歴史を持つ。特に十四世紀以降ネッビオーロ種から造られる長熟ワイン、バローロやバルバレスコで知られる地域となりました。
今日でも17 のDOCGワインを持ち、イタリアで最もDOCGワインの多い州となっています。元々ネッビオーロ種から造られるワインで知られる地域で、近年バルベーラ種やドルチェット種から造られるワインも上級ワインとして知られるようになってきました。
基本的には赤ワイン中心で、白ワインとして知られるのは、モスカート種から造られる甘口のアスティやモスカート・ダスティ。コルテーゼ種から造られるガヴィ、アルネイス種から造られるロエーロやランゲなどがあります。地域的に見ると、上級ワインが集中しているのは州の南部、アルバを中心とする地域で、特にバローロ村からはじまるランゲ地区に集中しています。
アルバ周辺ではバローロが造られるタナロ川右岸のランゲ地区と左岸のロエーロ地区があり、ランゲはバローロとバルバレスコが主力のワインになるが、この地域で造られるドルチェットやバルベーラ他品種を表示できるランゲDOCもあります。
ノヴァーラを中心とする州の北側の地域では地元で“スパンナ” と呼ばれるネッビオーロ種主体のワインが古くから造られており、ガッティナーラやゲンメなどのDOCGワインもあります。
バローロを生産する地域はランゲ地区にあり、バローロ、ラ・モッラ、カスティリオーネ、ファッレット、セッラルンガ・ダルバなど11 の村からなっています。ネッビオーロ種100%で造られるこのワインは、ややオレンジ色を帯びたガーネット色になり、バラやスミレの香りを含み十分のタンニンを含んだ力強い長熟ワインになります。長期の熟成に耐えることからイタリアワインの王様ともいわれています。
年間千四百万本程でブルネッロとほぼ同様の生産量となっていますが、最上級ワインが生産される地域は既に確立されています。一方、バローロとはアルバの町を基点に反対側に位置するバルバレスコは、バローロと同様のブドウから造られるが生産量は半分以下で、熟成規定もバローロより一年短く、エレガントな長熟ワインとして知られています。これらの赤ワインは、牛肉と野菜の煮込み料理ブラザートやストッファト、ストラコットなど料理に合います。
アスティ、モスカート・ダスティは、モスカート・ビアンコ種100%で造られます。麦わら色で個性的なマスカットの芳香があり発泡性の甘口ワインに適している。バニラを使ったフルーツのタルトやパネットーネなどのパンケーキに合います。DOCGに昇格したバルベーラは、この地域の主力赤ブドウで、この品種は酸が強くタンニンも多いことから小樽の使用に適し、近年評価が高まってきています。
また、ドルチェットは、一般的に日常ワインとして地元で飲まれているドルチェットの品質向上に貢献しています。これらのワインはサラミやタルタル肉アニョロッティ、ボッリート・ミストなど地元の料理に良く合う地元の人たちが愛するワインです。
この他、コルテーゼ種から造られるガヴィは、上品な香りとソフトな酸があり、日本料理にも良く合うデリケートな味わいの白ワイン。近年人気のアルネイスも上品な野草を思わせる香りを含み心地良いワインに仕上げられるワインが多くなっています。
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