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KRUGオンラインセミナーレポート

  • 2021.05.10

    2021年3月から、TERRADA WINE MARKETでは、メゾン公式のEC販売をスタートしました。それを記念して2021年4月24日、抽選で50名様を対象にオンラインセミナーを開催しましたので、その様子をレポートします。

    セミナーは講師のお二人の流暢な日本語でのトーク形式で、クリュッグ・グランド・キュヴェをテイスティングしながら行われました。

    クイズあり、Q&Aあり、あっという間の1時間でした。

    セミナー講師 ブランドアンバサダー:ティモシー・ベックさん(左) マーケティング・マネージャー:ジュリアン・キンテロさん(右)


    晩年期からのチャレンジとなったメゾンの創設

    メゾン・クリュッグを創設したヨーゼフ・クリュッグは、1800年代当時、最も有力だったシャンパーニュメゾンで財務を担当していましたが、「どんな気候にも左右されず最高品質のシャンパーニュを毎年世に送り出す」という夢をかなえるため、1843年、シャンパーニュメゾン・クリュッグを設立します。彼がこの決断をしたのは43歳。当時1歳の子供の育児に忙しかった妻の反対を押しのけてのチャレンジです。

    ちなみに、1800年代のフランスの平均寿命は約39歳だったそうですので、当時の人々にとってはいかに無謀であったかというのは想像に難くありません。

    ヨーゼフは、その時シャンパーニュ造りに関する自らの哲学をダークチェリー色の手帳に書き記しました。彼の2つの信念は、卓越した技術、クリュッグのシャンパーニュにヒエラルキーは存在しないということ。クリュッグのブランド・カラーは、このヨーゼフのノートの色をモチーフにしたと言われています。

    KRUGのクラフトマンシップの象徴 1 plot 1 wine(ワン・プロット ワン・ワイン)

    クリュッグでは畑ごとにワインを仕立て、最終的にワインメーキングチームが4000ものテイスティングノートを作成。その年のベースのワインの個性を見極めながら、ブレンドを決めていくそうです。グランド・キュヴェのブレンディングに費やす期間は、毎年なんと4か月。クリュッグの品質を物語る上で、ブレンディング技術の高さは欠くことのできない要素なのです。そして、グランド・キュヴェには、必ず16年前のリザーブワインを使用し、瓶内熟成の期間は約7年。およそ20年以上の年月をかけて作られる「シャンパーニュを究極的に表現した逸品」なのです。

    ストーリーがある年にだけ造られるヴィンテージ

    一方で、興味深い年のさまざまな環境を表現したシャンパーニュである、ヴィンテージ。

    クリュッグ・ヴィンテージは毎年造られるわけではなく、ストーリーがある年だけに作られるワインです。たとえば、2003年はまれにみる猛暑のため、他のシャンパーニュメゾンがヴィンテージ・シャンパーニュを造らなかったことでも有名ですが、クリュッグはそのユニークさに注目し、ヴィンテージを造りました。

    現在販売されている2006年は変わりやすいヴィンテージで、この年につけられたタイトルは「奔放で寛容」。2006年はシャンパーニュでは暑い年で、30℃以上を記録したのは23日。8月、わずか2週間で数ヶ月分の雨が降り、収穫期には再び好天になる非常に変わりやすい天候でした。それでも、2002年や1989年に近いバランスがあり、美しい仕上がりを「奔放で寛容」とメゾンは名付けました。


    Q&Aセッションでは、視聴者からの質問に答えていただきました。

    Q.クリュッグ・ヴィンテージをリリースする判断のポイントは?

    A.まず大前提は、クランド・キュヴェ用の十分なワインが確保できること。そして、ヴィンテージのストーリー、クオリティが保たれている年のみにリリースされます。1999年のクロ・デュ・メニルはいざリリースしようというタイミングでメゾンの求めるクオリティに達していないためリリースを見送りました。


    Q.好きなヴィンテージは?

    A.2002年は伝説のヴィンテージ。

    もしかしたら、今後2002年がTERRADA WINE MARKETで販売されるかもしれません。


    Q.ロゼのヴィンテージは作らないの?

    A.今のところ予定はありません。


    Q.クロ・デュ・メニルはなぜ単一で作っているの?

    A..クロ・デュ・メニルはシャルドネの聖地メニル・シュール・オジェの真ん中、ピン・ポイントのクロ(石塀)で囲まれた場所で作られているシャルドネを使っています。太陽の角度、白亜質の地層が深くミネラルとフレッシュさが他の場所にはないもので完璧な畑だからです。


    Q.他のメゾンと比べて自信がある、絶対的に違う部分は?

    A.ブレンディングのこだわりはどのメゾンにも負けないと思います。シャンパーニュという産地そのもの、最高の味わいを表現したいという考え方=クラフトマンシップは他のメゾンにはないものだと思います。


    クリュッグとフードペアリング

    2021年のテーマはオニオン。

    2021年1月に9カ国から集まった11名のクリュッグアンバサダー シェフの驚きに満ちたインドの旅の様子とレシピはこちらから確認できます。


    KRUG IDとは?

    めてグランド・キュヴェが誕生したのは1845年。この年を1とし以降、毎年エディションを数え上げ、現在販売されているのが168です。

    ボトルに記載されたKRUG IDを入力すると、ブレンドの比率やデゴルジュマンの時期はもちろん、フードペアリングやミュージックペアリングなど、そのエディションに応じた楽しみ方を提案してくれます。

    ぜひ複数のエディションを比べてみてはいかがでしょうか。


    セミナーを通じて感じたのは、クリュッグのクラフトマンシップとグランド・キュヴェというフラッグシップワインのすばらしさ、偉大さでした。

    記事著者

    • 寺田倉庫ソムリエチーム

      寺田倉庫専属ソムリエが皆様のワインライフの充実をサポートさせて いただいております。 ワインについてお困りごと等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。