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酒精強化ワインとは?

  • 2022.01.28

    ワインの4つの分類と言えば何を思い浮かべるでしょうか?

    赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン!

    それも正解ですが、今日は醸造方法による4つの分類をご紹介します。普段ワインと言えば、スティルワインやスパークリングワインが多いのではないでしょうか。フレーヴァード・ワインは例えば果実をたっぷり漬け込んだサングリアなどが有名です。それでは、フォーティファイドワインとはどんなワインでしょうか?日本語では酒精強化ワインと言われることも多く、フォーティファイド(=fortified)には「(アルコールを加えて)強くする」という意味があり、醸造工程中にアルコールを添加して、ワイン全体のアルコール分を高めたワインのことです。通常のワインのアルコール度数が12~15%くらいに対して、酒精強化ワインは15%以上と高めです。

    スティルワインのように赤ワインと白ワインがあり、製造過程の違いにより味わいは甘口〜辛口まで幅広くあります。通常のワインとは異なるユニークな造り方をするものも多く、同じ酒精強化ワインでもスタイルは多様です。

    ちなみに、ワインの発酵とは酵母の働きで糖分を水と二酸化炭素に分解することを差します。糖度の高いブドウであれば自然とアルコール度数は高くなります。ところが、酵母はアルコール分が一定量を超えると働かなくなり、糖の分解も止まるため、通常のワインより糖分が残った状態になります。

    この発酵が止まる現象に注目したのが酒精強化ワインというわけです。

    ブドウ果汁の発酵中にアルコールを添加してアルコール発酵を止めると、果汁の糖分が残って甘口となり、発酵完了後にアルコールを添加すると辛口になります。

     

    このような方法で様々な酒精強化ワインが造られていますが、スペインのシェリー、ポルトガルのポート、マデイラが世界の三大酒精強化ワインと言われます。

     

    ポートワイン

    ポートワインとは、ポルトガル北部のドウロ地方で造られるブランデーを添加した酒精強化ワインの一種で「ポルトガルの宝石」とも称され、ポルトガルを代表するワインです。

    大きく分けて黒ブドウから造られる「レッド・ポート」と白ブドウから造られる「ホワイト・ポート」の2つがあります。

    主に生産されているのはレッド・ポートで、「ルビータイプ」と「トゥニータイプ」に区別できます。

    ルビータイプは、平均3年間の樽熟成後に瓶詰めされる若いタイプのポートワインです。ラベルには「Ruby(ルビー)」「L.B.V.(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)」「Vintage(ヴィンテージ)」という表記があります。フレッシュな果実味が味わえるものから、100年以上の熟成が可能と言われているヴィンテージポートまでさまざまです。トゥニータイプは、10年、20年、30年のように熟成年数が表記されたものと、単一年に収穫されたブドウだけを使い収穫後7年以上の樽熟成を経て瓶詰めされたものがあります。

    ホワイト・ポートは、低温発酵で通常のポートよりも発酵を長くしてからブランデーを添加します。辛口につくられることが多く、比較的食前酒として楽しまれています。

     

    マデイラワイン

    アフリカ北西岸沖のポルトガル領のマデイラ島で造られている酒精強化ワイン。100年以上前のマデイラが現存しているほど長命なワインとして知られています。

    ブドウ品種によって甘口から辛口まで味わいは異なり、添加するグレープスピリッツのアルコール度数が96%と高く、アルコール度数は17〜22%です。そして、マデイラ最大の特徴は酒精強化を行った後に加熱を行うことで、この製法により独特の香ばしい風味が生まれます。加熱方法は温水を使う人口加熱(エストファ)と、太陽による自然加熱(カンテイロ)があり、加熱後は3年以上樽で熟成させてから出荷されます。

    この製法は大航海時代の17世紀、マデイラ島で積み込まれたワインが長い航海を終えると特有のフレーヴァーを呈していたことから生まれたそうです。冷蔵設備のない時代に長時間高温にさらされたワインがどうなるかは想像に難くないですよね。

     一般的に辛口のセルシアルとヴェルデーリョは食前酒に、甘口のボアル、マルヴァジアは食後酒として飲まれています。少し冷やしてストレートで、気軽に楽しみたいならライムを添えたソーダ割もおすすめです。

     

    シェリー

    シェリーは、スペイン・アンダルシア地方のヘレス周辺で造られる白の酒精強化ワイン。

    土壌、ブドウ品種、アルコール度数、醸造方法などによって辛口から甘口まで幅広い味わいがあるのがシェリーの特徴です。特に、辛口タイプには、フィノ、マンサニーリャ、アモンティリャード、オロロソなどがあり、辛口でも驚くほど味わいが異なります。

    辛口のシェリーを造る際に発生するフロールと呼ばれる産膜酵母のもとで熟成させるか否かによって味わいに大きな差が生まれることと、熟成段階で行われるソレラシステムという独特の製法が挙げられます。

    フロールの膜のもと空気に触れさせずに熟成させた場合はシャープな辛口に。アルコール度数が17度以上になるとフロールが生育できないため酸化熟成となり、複雑な風味を持つシェリーとなります。

    辛口シェリーは食前酒に最適。極甘口のシェリーはバニラアイスクリームに少し垂らすと絶品です。


    アルコール度数が高いし、飲み切れないと嫌煙されがちですが、酒精強化ワインは開封してからも比較的長く楽しむことができます。

    味わいも辛口から甘口まで様々なタイプがありますので、食前・食後酒としてはもちろん、デザートにかけたり、割って飲んだり、自分だけの楽しみ方を見つけるのもおすすめです。


    記事著者

    • 寺田倉庫ソムリエチーム

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