フランス醸造地を語る vol.4 ブルゴーニュ編 ~コート・ド・ニュイ~
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2019.04.26
「黄金の丘」コート・ドールの北側のエリアに位置する、コート・ド・ニュイ地区は、世界屈指の赤ワイン産地として広く知られている。生産されるワインの約90%はピノ・ノワールから造られる赤ワインであり、北はマルサネ村から、南はニュイ・サン・ジョルジュ村まで、多様性に富んだワインを生み出すブドウ畑が存在している。
通常のワイン産地での考え方であれば、「北の産地に向かえば軽やかなスタイルのワインが生まれ、南へ向かえば日照量が増し、ブドウの熟度も上がり、出来上がるワインのボディも増していく。」というセオリーがあるが、このコート・ド・ニュイ地区に関してはそれがそのまま当てはまることはなく、南へ行くと軽やかなスタイル、そしてその南に行くと再びしっかりとしたスタイルに、またその隣の畑はやや標高が上がり…というようなことが起こる。それらがこの土地のワインをより奥深く、興味深いものにしている要因だと考えている。
最も北に位置するマルサネ村では唯一ロゼワインの生産が認められているが、このフレッシュでミネラリーな辛口スタイルのロゼワインは素晴らしいクオリティで、コストパフォーマンスにも優れていて、私もレストランで料理に合わせてセレクトする機会も多く、ゲストの方々にもとても人気がある。
ロゼワインのブームが少しずつ日本にも近寄ってきていることを予感させる中、地中海エリアのように海のニュアンスを持つロゼワインではなく、内陸部のエリアの山の食材によく合うロゼワインとして、今後ますますの活躍が期待できるであろう。
そして、そこから真っ直ぐに南へ向かうと「フィクサン」が見えてくる。ここで生産される赤ワインはやや動物的なニュアンスも加わって、マルサネの赤ワインとはかなり異なるキャラクターを持つ。
さらに南下すると、あの有名な「ジュヴレ・シャンベルタン」に辿り着く。ジュヴレ・シャンベルタンでは、コート・ド・ニュイ地区の赤ワインの香りの特性の一つとしてよく表現される「なめし皮」のような動物的なニュアンスが増し、さらには長期熟成に向くようなしっかりとしたボディを感じさせる赤ワインが生まれる。
料理との相性の一つの例として「ジュヴレ・シャンベルタンは鹿肉によく合う」と言われる理由は、この動物的ニュアンス、そして鉄分的要素、またピノ・ノワールとしては比較的豊かなタンニン分と味わいのボディを持っているからなのではないだろうか。
その他にも有名な「シャンボール・ミュジニィ」、「ヴォーヌ・ロマネ」等、ワインラバーの垂涎の的となる村の名前がどんどん続く。これらもいわゆる「ブルゴーニュの有名ワイン」というふうに括ることはできるだろうが、この二つの村から生まれる赤ワインは、やはりそれぞれが独自の個性を輝かせている。
約10年前、私はニュイ・サン・ジョルジュ村に3日間ほど滞在した経験がある。
そこからヴォーヌ・ロマネ村まで歩いて行ってみようと思い立ち、快晴の中、美しいブドウ畑を眺めながらゆっくりと散歩をした経験は、長い月日が経った今でも鮮明に記憶に残っている。
限りある人生において、また必ず訪れてみたい場所であることは間違いない。
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