今回はメドック格付け第2級で現在はシャネルグループの元、素晴らしいワインをリリースしているシャトー・ローザン・セグラの歴史やワイン造りへのこだわりについてご紹介します。

シャトー・ローザン・セグラの歴史

1661年に名士であるガシー家の地所の一角を、ピエール・デ・メサレス・デ・ローザン氏が購入した事が始まりと言われています。

ローザン氏は1600年代を代表するワインの造り手で、5大シャトーをはじめ複数のシャトーでマネージャーを務めていた事でも知られています。「ガシー家の土地」を「ローザン氏」が購入した事から、この地所は「シャトー・ローザン・ガシー」と呼ばれる様になりました。

その後相続により2分割された畑のうち片方を所有することになったセグラ氏から名称を取り入れて、「シャトー・ローザン・セグラ」というワイン名が生まれたと言われています。この当時のシャトー・ローザン・セグラは、数ある2級のシャトーの中でも、後年に1級に昇格したシャトー・ムートン・ロスチャイルド(Chateau Mouton Rothschild)と比肩するほどの評価を得ていたと言われています。

近代のシャトー・ローザン・セグラ

それからオーナーが変わった後も安定した品質のワインを作り続けてきたシャトー・ローザン・セグラでしたが、次第に経営難に陥っていきます。追い打ちをかけるように深刻な霧害がボルドー全体を襲い、徐々にその評価を落としていきました。

そして1994年、シャトー・ローザン・セグラにとって最大の出来事が生じます。この年、シャネルのオーナー一族であるヴェルテメール家が、シャトー・ローザン・セグラの経営権を買収する事で合意に至ったのです。これによりシャトー・ローザン・セグラはシャネルグループの傘下に入り、資金に窮する事なく改革を断行できるようになります。

小さな変更に込められた大きな想い

まず初めにワインのスペリングを「Rausan Segla」からローザン氏がシャトーを所有していたころの「Rauzan Segla」に戻しました。一見どこが変わったかもわからないような小さな変更ですが、そこには「かつてのような素晴らしいワインをもう一度作ろう」という強い思いが込められました。

2012年には馬を用いた耕作を始め、自然や環境にも配慮したブドウ造りを行なうようになります。

また2015年には、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ)が所有するアルゼンチンのシュヴァル・デ・アンデス(Cheval des Andes)から、責任者としてニコラス・オーデベール氏を迎え入れます。

彼はシュヴァル・デ・アンデスを短い期間で世界屈指のグラン・ヴァンへと成長させた天才として知られており、その知見をシャトー・ローザン・セグラに反映させる事が目的でした。ニューワールドのワイナリーの責任者がボルドーの格付けシャトーの責任者に鞍替えをするという事例は殆ど無いのですが、シャトー・ローザン・セグラは伝統を重んじながらも革新も同時に進めていくという決断をしました。

シャトー・ローザン・セグラのワイン

シャトー・ローザン・セグラの畑では、62%のカベルネ・ソーヴィニヨン、36%のメルロー、1%のカベルネ・フラン、1%のプティ・ヴェルドが植えられています。この植栽比率も近年変化してきており、年々カベルネ・ソーヴィニョンの割合が増え、メルローの割合が減少してきています。これに伴い近年は比較的穏やかな味わいから、しっかりとした芯の通ったワインへと変化してきています。シャネルの美意識が表現された、数値化できない美しさと強さを兼ね備えています。貴婦人のようなフェミニンさと気品の中に秘められている芯の強さが魅力の1本と言われています。この変化は市場において好意的に受け止められており、2010年以降のヴィンテージで軒並み高い評価を獲得しています。

シャトー・ローザン・セグラのブドウ収穫時期は、毎日栽培家が果実の成熟度やタンニン、酸をチェックし、慎重に収穫時期が決められ、2度の厳しい選果を通過した良質のブドウのみが使用されます。醸造は全て、品種毎、区画毎に行われ、熟練の醸造家によって毎年異なる比率でブレンドされます。

平らな斜面で育つため、比較的早熟でみずみずしいブドウが出来上がります。また、近くにはシャトーマルゴーをはじめ素晴らしいシャトーが点在し、そのポテンシャルも相当高いものといえるでしょう。

TERRADA WINE MARKETでは現在シャトー・ローザン・セグラのプリムールを販売中です。この機会にぜひお試しください。

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とくに5大シャトーを有するメドック地域が有名で、しっかりとしたフルボディと、いかり肩のボトルが特徴です。

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