「ヴィンテージワイン」と聞くと、いかにも高級そうで魅力的に聞こえますが、そもそもヴィンテージワインとはどんなワインを指すのでしょうか?そしてなぜ人気なのでしょうか。
ここでは「ヴィンテージワインとは?」という質問にお答えする基礎知識から、その魅力や選び方、購入後のポイントについて紹介します。ワインの奥深さを探求し、贅沢なひとときを楽しむ手助けとなるでしょう。
ヴィンテージワインとは
「ヴィンテージ」とは、一般的には「年代物」「古くて価値があるもの」を指しますが、ワインの世界ではまた違った意味を持ちます。
これは、ブドウの収穫年を示すものであり、ヴィンテージの表記が「2015」となっていれば、そのワインは2015年に収穫されたブドウを使用しているということです。
つまりヴィンテージワインとは、収穫された年代が明確になっているワインということなのです。辛口、甘口、スパークリングワインなどワインのタイプは問いません。
ヴィンテージワインにはさらに細かな分類があり、「オールドヴィンテージワイン」は年代物のヴィンテージワインを指し、古酒ならではの深い味わいやまろやかな複雑さが楽しめます。
複数年号のブドウを使用して造られた場合や生産国の規定を満たしていなかった場合はこれの表記が許されず、ヴィンテージの冠が外れることになります。
当たり年に作られたヴィンテージワインは、「グレードヴィンテージ」と呼ばれ愛好家たちを魅了しています。
ヴィンテージワインが人気の理由
人気の理由は、「出来の良いヴィンテージ(当たり年)のワイン」のことだけを「ヴィンテージワイン」と呼ぶことも多く、その認識で捉えられることも多いからかもしれません。
同じワイナリーや生産地でも、収穫年ごとにブドウの品質やワインの特性が異なります。
このため、人によっては好みの収穫年を指定して購入することもあります。
特に完熟した良い品質のブドウが収穫できた年は「グレートヴィンテージ」として位置づけられ、その年につくられたワインは高い評価を得ます。
高品質で非常に強い個性を備えるためコレクターや投資家、ワインショップにも人気があり、また結婚式や誕生日に生まれ年のワインを記念日のお祝いとしてプレゼントするなど、お酒の贈答品としても喜ばれることが多いです。
20歳になり、初めての飲酒を記念する贈り物としても、特別なシーンを演出する素敵なものになるでしょう。イタリア、ピエモンテ州のバローロ、バルバレスコなどを飲み頃のピークで飲むことができれば、その感動もひとしおです。
高級ワインとヴィンテージワインの違い
それでは、高級ワインとヴィンテージワインの違いとは?この点に疑問を抱く方も多いと思いますが、ワインに高い価格が付けられることには様々な理由があるため、「高級ワイン=ヴィンテージワイン」という方程式が100%正解ではありません。しかし同時に、はっきりと切り離すこともできないでしょう。
そもそも「ヴィンテージワイン」と呼ばれる程に長期熟成を経て、結果瓶詰されてすぐのタイミングよりも一層素晴らしい味わいに変化しているワインには、熟成に耐え得るのに十分な凝縮した果実味と酸味がバランス良く備わっています。この2点を備えたワインは、銘醸地産のブドウが用いられていたり、著名な生産者がこだわって生み出したものであったりと、稀少性と、客観的にみても品質が高い要素を他にもいくつか兼ね備えています。 よって、若くして高級ワインに数えられる銘柄ももちろん多くありますが、人気のあるヴィンテージワインは結果的に高級ワインとしても挙げられることが多いでしょう。
ヴィンテージワインの見分け方
ワインのボトルにはおおよそ、表ラベルと裏ラベル、輸入元を示すラベルの3枚が貼られています。ヴィンテージワインである場合、表ラベル、もしくは裏ラベルに西暦で年号の表記があります。具体的な場所については、生産者次第となり明確ではありませんが、この表示があるものはヴィンテージワイン、といえるでしょう。
自分好みのヴィンテージワインを選ぶコツ
ワインの世界では、自分好みのヴィンテージワインを見つけることが至福の瞬間です。
ブドウの品種や産地、ヴィンテージごとのその産地の天候によって大きく異なる味わいや特徴を知ることで、理想的な一本に巡り会えるでしょう。
また、当たり年を見極めたり、ヴィンテージチャートを活用することで、さらに充実したワインライフを楽しむことができます。
ブドウの品種や産地から選ぶ
ワインの魅力はその多様性にあります。
品種や産地によって異なる香りや味わいが楽しめるため、まず最初に自分の好みに合ったブドウの特性を知ることが大切です。
特性を知ることで、好みに合ったヴィンテージワインを探しやすくなるでしょう。
ブドウの品種ごとの味わいを知りたい方はこちら。
当たり年から選ぶ
ヴィンテージワインを選ぶ際には、当たり年を見極めることがポイントです。
当たり年とは、ブドウが良好な気候条件のもと、優れた状態で収穫された年のことを指し、その年のワインは一般的に品質が高く、将来的な価値上昇が期待されます。
同じ生産者や産地でも収穫年により評価が変わります。
この記事では、TERRADA WINE MARKETで取り扱っているワインの代表的な産地の当たり年をご紹介します。
※欠品中の際はご容赦ください。
当たり年リスト(2000年以降)
◆フランス・ボルドー(赤ワイン)
2000、2005、2009、2010、2015、2016、2018、2019、2020
◆フランス・ブルゴーニュ(赤ワイン)
2005、2009、2010、2015、2016、2019、2020
◆フランス・ブルゴーニュ(白ワイン)
◆フランス・シャンパーニュ
◆イタリア・トスカーナ(赤ワイン)
2001、2006、2007、2010、2013、2016、2019
◆アメリカ、カリフォルニア(赤ワイン)
2004、2007、2009、2010、2012、2013、2014、2015、2016、2018、2019、2021
◆アメリカ、カリフォルニア(白ワイン)
2001、2002、2004、2007、2009、2010、2012、2013、2014、2015、2016、2018、2019、2021
ヴィンテージチャートを利用する
ヴィンテージチャートは、地域や年ごとにワインやブドウの評価をまとめた便利なツールです。
これを活用することで、特定の地域や年においてどのワインが優れているのか、どのブドウが注目されているのかを一目で把握できます。
ワインの情報収集をサポートするヴィンテージチャートは、ワイン選びの際に頼りになる味方となります。
ヴィンテージワインを購入したあとのポイント
ヴィンテージワインを手に入れたら、その魅力を余すことなく味わうために欠かせないのが、購入後の丁寧な管理と開封の手順です。
温度に気を付けた保管や、ワインが自宅に届いた際の注意など、ヴィンテージワインの特性に合わせた手法が求められます。
ここでは、それらのポイントをみていきましょう。
ワインが自宅に届いたときにすぐ飲まない
ワインが自宅に届いたら、待つことも重要です。
特にヴィンテージワインは、立てて澱を沈ませることでより一層の美味しさを引き出すことができます。
澱はワインの成分が結晶化したもので、高評価のヴィンテージワインほど沈殿して見られることがあります。
澱が混じると舌触りが損なわれるため、1週間ほど立てておくことで澱がワイン底に沈み、クリアな口当たり、状態で楽しむことができます。持ち運びの際の振動にも気を付けて、美味しいヴィンテージワインを存分に味わうためにも、この手順を押さえておきましょう。
どうしてもすぐに飲む場合は、デキャンタを用いて澱を取り除く方法もありますが、長期熟成を経て繊細なヴィンテージワインは、その過程で本来の味わいを変えてしまう可能性もあります。グラスに注ぐときも、注いだ後もできるだけ酸素と混ざり合わないよう、まずはゆっくりとグラスを傾けてください。
温度に気を付けて保管する
ヴィンテージワインを保管する際は、温度管理が肝心です。
特に長期熟成を経たワインでは、コルクが劣化している可能性があるため、低い湿度にさらされストレスを与えてしまうことのないように注意が必要です。
湿度は70%前後が理想的で、コルクを劣化から守ります。
ワインの品質を保つため、保管環境、気温には十分な配慮が欠かせません。
※ご自宅にワインセラーが無い場合、自宅でワインを保管する方法に関する詳細な情報について、「ワインを自宅で保管する方法は?未開封と開封後で異なるポイント」を参照してください。
ワインを自宅で保管する方法は?未開封と開封後で異なるポイント
ヴィンテージワインの開け方のコツ
ヴィンテージワインの中でも、目安として現在飲むタイミングから20年前、30年前といったヴィンテージのワインを飲む際は、いつも通りフレッシュなワインを開けるのと同様の勢いで気軽に抜栓すると、失敗してしまう可能性が高いでしょう。古いヴィンテージのワインは、何十年というその熟成過程においてコルクがもろくなっていることが少なくありません。
そのため螺旋が太く長いオープナーや、2枚刃式コルク抜きなどの、専用の道具を用意することができればベストですが、いつも通りのソムリエナイフ・オープナーしか用意が無い場合は、とにかくゆっくりと、時間をかけてスクリューをねじ込み、落ち着いてコルクを引き上げてください。
ヴィンテージワインを保管する場合は、ワイン保管サービスの利用が便利
ワイン保管サービスを利用してヴィンテージワインを保管する
ワインを長期間保管し熟成させるには適切な環境と条件を守ることへの注意が必要です。
ただ自宅で適切な環境を作ることはハードルが高いという方もいるのではないでしょうか。
そこで便利なのが、ワイン保管サービスです。
ワイン保管サービス「TERRADA WINE」
ワインを長期保管する際には、適切な環境と管理が必要です。
「TERRADA WINE」は、ご自宅のワインはもちろん、TERRADA WINEのサイトから購入したワインも専用の倉庫で長期保管でき、熟成、管理まで一括して行えます。近年のワインから期間限定の蔵出し販売、セットやバックヴィンテージワインまで、幅広い商品ラインアップからお買い物いただけます。
TERRADA WINEの倉庫は、温度管理や湿度管理が徹底されており、ワインの品質を最大限に保つための環境が整っています。
また、セキュリティ対策も万全であり、安心してワインを預けることができます。
TERRADA WINEの保管には大きく分けて、「セラー保管」と「ボトル保管」があります。セラー保管は自分でワインの出し入れを行うサービスのことで、天王洲 PREMIUMは特に特別なセラーであり、専属のソムリエが常駐しています。ボトル保管は、倉庫にご配送いただくだけで1本から保管できる、オンライン型のサービスです。専門スタッフにより預けたワインの写真撮影が行われ、スマホやPCからいつでもワインリストを確認できます。さらに、預けたワインはタイプや地域ごとに分けられ、参考市場価格も表示されるため、ワイン資産の管理をスムーズに行うことができます。
長い年月をかけてワインが進化し、独自の風味を醸し出す様子を間近で見守りながら、ワインの魅力を最大限に堪能しましょう。
おすすめ記事
酒精強化ワインとは?種類や飲み方などを解説
ボルドー5大シャトーとは?シャトーの歴史とワインの特徴
ワイン投資のメリット・デメリットは?投資の種類や始め方
ワインの熟成方法の種類は?熟成後の色や味わい、香りの変化
ワインのブドウの品種は何がある?赤・白・ロゼ別の主な品種