ワインを愛飲している人にとって、自宅でワインを保管することは欠かせないものです。しかし、正しい保管方法を知らずに保管すると、ワインの品質が劣化してしまい、本来の味わいを楽しむことができなくなってしまいます。そこで、この記事では、ワインを自宅で保管する方法について、未開封と開封後で異なるポイントを中心にご紹介します。

ワイン保管の基礎知識

ワインのラベルには、消費期限や賞味期限の記載がありませんよね。長い間飲まずに置いておいたワインは美味しいと聞くけれど、本当においしくなるのか。いったいいつまで保管できるのか。こちらではワインの保管に関する基礎的な疑問にお答えします。

ワインに消費期限・賞味期限はある?

抜栓前のワインには腐るという概念が無く、ワインには消費期限・賞味期限は無いといえるでしょう。適切に保管されている場合に限りますが、ワインは瓶内で腐るのではなく、熟成されていきます。時間の経過とともに酸味やタンニン(渋み)などの成分が、旨味を感じられる成分へと変化していき、より深みと複雑味のある香り、味わいを備えて本来の魅力を発揮するのです。

このような観点では、ワインは大きく2つのタイプに分かれます。

消費・賞味期限が無いタイプ

代表的なものとして、熟成年数が浅いうちは酸味や渋みを強く感じることも多い高級ワインや、フランス・ボルドー産のようなフルボディの赤ワイン、酸味とブドウの凝縮味を兼ね備えたシャンパンや白ワイン、糖度の高い甘口ワインなどが挙げられます。これらは最適な保管によって長期熟成が可能です。

消費・賞味期限が設けられている、もしくは保管・熟成に向いていないタイプ

ノンアルコールワインやワインテイスト飲料、ホットワインベース(素)などには、それぞれ2年程度の適切な賞味期限が設けられています。これらはアルコール飲料と違って長期保存には向いていないので、早めに消費することで新鮮な味わいを気軽におたのしみいただくと良いでしょう。

また、市場に出てすぐに、フレッシュな状態でカジュアルに消費されることを想定され、それを目的として造られたお手頃な赤ワイン、軽めの白ワイン、スパークリングワインなど種類様々なテーブルワインは、期限こそ無いものの、たとえ適切な保管方法での熟成を経ても、より良い味わいへの変化とはならない可能性が高いでしょう。

酸化防止剤無添加、もしくはできる限り使用を抑えられた自然派ワインも、一般的には長期の熟成には向かないものが多い印象です。

ワイン保管の目的と重要性

ワインを長期間保管しておく、その目的はいくつか挙げられます。

  • 本領を発揮したタイミングで飲むために数年~数十年の熟成をさせたい。
  • 手に入れたワインを記念の日まで取っておきたい。(子供の生まれ年のワインを購入しておいて、20歳を迎えたら一緒に飲みたい、など)
  • 投資目的でワインを収集しており、動かすのに最適なタイミングを待ちたい。

ただ、前述の通りベストな保存条件を欠かした場合は、残念ながらそのワインに魅力的な変化は起こりません。むしろ、例えば紫外線対策の不足や適温から大きく外れた場合に起こる熱劣化などにより、グラスに注ぐとはっきりとわかる程の異臭を放つなど、飲むには不快な状態へと変化してしまう可能性も大きいのです。

未開封のワインを保管する際の6つのポイント

さて、ワインは時間の経過とともにより素晴らしい味わいへ変化するという、魅惑的な側面を持つ素晴らしいアルコール飲料ですが、デリケートな側面も併せ持つということをお分かりいただけたと思います。次に、最適とされる保管、保存における条件と方法を徹底解説いたします。

こちらで紹介する条件を備えた保存場所は、ワインの本場・フランスにおいては地下にあることも多い、カーヴ(保管庫・熟成庫・貯蔵セラー)の環境に近いとされます。

温度を管理する

ワインを保管する際に最も重要なポイントは、温度管理です。ワインは、13度〜15度をキープして保管することが望ましいとされています。温度管理はワインの保管において大切な要素であり、急激な温度変化や高温での保管は、ワインの劣化を招いてしまいます。特に夏場は注意が必要です。冷房をずっと使用する部屋であれば比較的安心して置いておくことができますが、冷蔵庫での保管がベターかもしれません。

ただ、冷蔵保管する場合は、冷蔵庫内の温度管理にも注意が必要です。庫内の温度設定を適切に維持、調整し、冷蔵庫の開閉のし過ぎや冷えすぎなどの温度差の発生を防ぐようにしましょう。

紫外線・光を遮断する

ワインを保管する際には、直射日光による紫外線や蛍光灯の光など、あらゆる光による変質を防ぐことも重要です。長時間光に当たると、ワインは劣化してしまうという特徴を持ちます。変質を防ぐため、ワインのボトルが緑色や茶色に着色されているのです。

また、この光による変質は、ワインに不快な匂いを発生させる可能性があるため、できる限り暗所で保管することが望ましいです。自宅であれば、遮光性に優れた押し入れや床下収納で保管している、という話をよく耳にします。

湿度を管理する

ワインの保存において湿度の管理も非常に重要な要素の1つです。特にコルク栓を使用しているワインの場合、湿度の管理が不十分だとコルクが乾燥してしまい、空気がボトル内に侵入し過剰な酸化が進む恐れがあります。過乾燥もワインにとって大敵で、この場合、ワインの風味や品質が損なわれることになります。

一定の湿度を保つことで、コルクの乾燥を防ぎ、コルク栓自体が収縮するのを防ぐことができます。湿度70%前後が理想的な湿度であり、この湿度で保管されたワインは、適切な熟成が行われ、美味しい風味を保つことができます。

ワインの保存環境には、湿度以外にも様々な要素がありますが、湿度の管理が不十分だと他の条件が良くても、最終的な品質に悪影響を与えることがあります。ワインを長期的に保管する場合は、湿度の管理にも注意しましょう。

衝撃・振動を与えない

ワインは、衝撃や振動によって中の成分が乱れるため、保管時には静かで揺れ動かない場所に置く必要があります。特に長期間の保管においては、ワインボトル内部にある果実味や風味が壊れやすく、ワイン本来の味わいが損なわれる場合があります。また、液漏れを起こすこともあるため、ワインの保管場所には安定性、バランスも重要な要素となります。

匂いがきついものと一緒に保管しない

ワインは、匂いに敏感な飲み物であるため、強い臭いのものと一緒に保管すると、その匂いがワインに移って吸収してしまうことがあります。例えば、お家で料理をする場所にあるお酒やハーブ、調味料などの強い香りを持つものと一緒に保管すると、ワインの香りや風味が損なわれることがあります。ワインを保管する場所は、風通しの良い場所であり、できるだけ匂いが立ち込めない場所に置くようにしましょう。

ボトルを寝かせて保管する

ワインを横向きに寝かせることで、コルクの乾燥を防ぎ、空気の透過量を少なくすることができます。一方、立てて保管する場合は、コルク臭のうつりが気になるとされていましたが、最近では瓶の中の湿度が一定に保たれているため、立てて保管しても問題ないとされています。ただし、ワインを横にする際には、直ちに横にするのは避け、一定時間立ててから寝かせるようにすることが望ましいとされています。ワインの繊細な風味を損なわずに保存するためにも、適切な保管方法を選び、実践することが大切です。

未開封のワインを自宅で保管する方法

一番はワインセラーでの保管が良いとされますが、一般家庭の暮らしには用意が難しい場合も多いでしょう。ワインを未開封の状態で保存するためには、以下の方法が効果的です。様々な注意点にもご注目ください。

1本ずつ紙で包む

ワイン全体を新聞紙などの紙で包み、コルクを乾燥させないようにします。コルクが乾燥すると空気が入り、これが原因でワインが酸化する可能性があります。

冷暗所で保管する

ワインは、13〜15℃の涼しくて暗い場所で保管するようにしてください。季節によって温度は大きく異なるため、温度変化を最小限に抑えるためにも、冷暗所で保管することが必要です。

夏場のワインの保存

夏場は、日中と夜間の気温差が激しく、多くが寒冷地でない日本は特に室内であっても高温多湿な環境になります。室温は簡単に30℃を超え、ワインにとって常温での保管は厳しい環境のため、保管する場合は、冷蔵室よりも温度と湿度が高い野菜室で保管するようにしましょう。ただし、長期間の保存はできるだけ避け、早めに飲むようにすることをおすすめします。

冬場のワインの保存

冬場は、暖房が当たらない涼しい場所(床下や押入れ)で保存することがおすすめです。ただし、地域によっては冷たすぎる可能性もあり不向きなため、温度が安定する冷蔵庫の野菜室で保存することも考慮してください。

開封済みワインを自宅で保管する際のポイントと日数の目安

基本的には未開封と同じように冷暗所で保管するのが理想的です。しかし、開封したワインは立てて保管することが大切です。栓の種類によって保管できる日数の目安が変わります。

ポイント

冷蔵庫に入れて保管する

未開封のワインとは違い、冷蔵庫のような低温で保存するほうが良いためです。低温になればワインの酸化スピードが遅くなるというメリットが得られます。

ボトルを立てて保管する

空気と触れるワインの表面積を最小限にできるため、ボトルを立てて保管するのが良いでしょう。ボトルを寝かせると酸化が進みやすくなります。寝かせて保管すると空気に触れる面積が増えるためです。

コルクやワインストッパーで保存

酸化防止のため、できる限りコルクやストッパーを用いて密閉しましょう。スクリューキャップのものは、しっかりとキャップを閉めればOKです。
ワインストッパーの中にはシリコン製のものや、真空ポンプとセットで使用することで残ったワインのフレッシュな状態を数日延ばす効果を期待できる商品もあります。アンチ・オックスという酸化防止の方法を採ったストッパーも酒店などで販売されています。これは、ストッパーの内部に酸化を防ぐカーボンフィルターがセットされており、ボトル内に残っている酸素に触れることで、微量の不活性ガスを生成します。この不活性ガスが液体の表面に留まることで、酸化が抑制されるのです。

小さなボトルに移す

一度開栓すると、気を付けて保存しようとしても、わずかな隙間から微量に液体と酸素は触れ合い、完璧に妨げることはできません。しかし、もともと入っていたボトルよりも小さいサイズのボトルに移し替えることで、空気との抵触面積を減らすことができます。そのため、この手法も大変お勧めです。

保管期日の目安

開封済みのワインを保管する場合、栓の種類や状態によって保管期日の目安が異なります。一般的には開封後1週間以内に飲み切ることが望ましいとされますが、以下にその目安をまとめます。

コルクで栓をする場合

コルクで栓をする場合は、2〜3日が保管日数の目安です。コルクにストレッチフィルム(ラップ)を巻いて封をすると、乾燥を防ぎやすくなりオススメです。

ワインストッパーで栓をする場合

ワインストッパーで栓をする場合は、4〜5日間が保管日数の目安です。ワインストッパーは空気を遮断するため、ワインを真空状態にして鮮度を保つことができます。

ワインは時間の経過とともによりデリケートになる場合がほとんどですが、専用のグッズや器具、容器を用いることで開封後も長期間にわたって保管することが可能な場合があります。

ただし、開栓後の保管にはやはり注意が必要です。ボトル全てを飲み干さない場合、食事中にもワインクーラーに入れた状態が望ましいといえます。酸化による風味の劣化や、細菌の繁殖による品質の低下が起こる可能性がやはり大きいため、状態に応じて適切な保管方法を選ぶことが重要です。

未開封のワインを長期保管するなら「TERRADA WINE」がおすすめ

セラーのイメージ

高級ワインや古酒などは、長期間にわたって熟成を重ねることで、味わいが深まります。しかし、未開封のまま長期保管するには、適切な温度や湿度、光線の影響を受けない場所が必要です。

しかし、自宅に十分な保管スペースがなかったり、適切な温度や湿度、光線の影響を受ける環境である場合があります。また、ワインのラベルにはおおよそ収穫年や瓶詰年が記載されていますが、それらの情報を得た上でも、自分でそのワインの寿命を予測、判断することは難しい場合もあります。ワインの保存に関する疑問や不安があれば、専門家(ソムリエ)に相談すると安心です。

そこで、TERRADA WINEのサービスを利用することで、自宅での保管に比べ、より適切な条件での長期保管が可能となります。TERRADA WINEの特長は、専用の倉庫で適切な温度と湿度を保った環境下でワインを保管できることです。

また、TERRADA WINEのサイトから購入したワインをTERRADA WINEの倉庫に長期保管することができるため、未開封の高級ワインを安心して保存できます。また、保管期間や頻度に応じて料金が異なるため、自分に合ったプランを選ぶことができます。

TERRADA WINEの保管には大きく分けて、「セラー保管」と「ボトル保管」があります。セラー保管は自分でワインの出し入れを行うサービスのことで、天王洲 PREMIUMは特に特別なセラーであり、専属のソムリエが常駐しています。ボトル保管は、倉庫に送るだけで1本から保管できる、オンライン型のサービスです。専門スタッフにより預けたワインの写真撮影が行われ、スマホやPCからいつでもワインリストを確認できます。さらに、預けたワインはタイプや地域ごとに分けられ、参考市場価格も表示されるため、ワイン資産の管理をスムーズに行うことができます。ワインに関するお悩み事をぜひお伝えください。

TERRADA WINEのサービスを利用することで、未開封の高級ワインを長期保管する際のストレスや負担を軽減することができます。是非、ワイン愛好家の方は一度利用してみてはいかがでしょうか。

*開封済みのワインを長期保管する場合は、なるべく早めに飲むことをおすすめします。

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記事著者

寺田倉庫ソムリエチーム

寺田倉庫専属ソムリエです。 ワインの購入から保管まで、みなさまのワインライフをサポートさせていただきます。ワインについてお困りごとがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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