コート・ド・ボーヌの南、ボーヌから車で10分ほどの村、ムルソー。
ムルソーのワインは「バターやヘーゼルナッツの香り」と表現されることが多いように、しっかりと樽のニュアンスが効いたボリューム感のある味わいで、コルトン・シャルルマーニュ、モンラッシェに並びブルゴーニュ最高の白ワインのひとつです。
ムルソーの歴史
今でこそ人気の高いムルソーですが、1960年代くらいまでは白ワインがポピュラーではなく、ブドウを安く買い取られ、廃棄していたこともあるとか。
しかし、「1969年にアメリカ人が突然やってきて、ワインを買い始めた」と現地で言われるように、アメリカで起こったシャルドネブームによって、当時から高価だったピュリニー・モンラッシェやシャサーニュ・モンラッシェではなく、手頃な価格かつ、濃密でグラマラスな味わいのムルソーが注目を集め、銘醸地としての地位を確立していきました。
ムルソーのスタイル
世界的なワイン需要の高まりや欧米諸国の食生活の変化と共に、ムルソーのスタイルも変化しています。
以前は、アメリカ人好みと言われるオーク樽の風味が効いたスタイルのワインが多く造られていましたが、昨今はよりテロワールを重視した造りに変化。
ムルソーの個性が見直され、酸や緻密なミネラルが見事に引き出された 素晴しいワインが数多く造られています。
ムルソーのグラン・クリュ
ところで、白ワインの名産地としてブルゴーニュでも3本の指に入るムルソーにグラン・クリュがないのはなぜでしょうか。
一説によれば、原産地統制法が制定された当時、高い税金がかけられることを嫌った栽培者達がグラン・クリュの格付けを拒否したからだと言われています。
ムルソーは、かつてフランスで名高い建築資材である石灰岩の産地であり、石材加工で栄えていました。
ミネラルが豊富に含まれているため、村名クラスのワインでも骨格のしっかりとしたワインとなりますが、プルミエ・クリュが広がる斜面は泥灰岩と泥灰・石灰岩土壌を中心に畑によって特徴は異なり、グラン・クリュにも引けを取らないほどの深さと奥行きある味わいを生むものもあります。
ペリエール、シャルム、ジュヌヴリエールに、グット・ドール、ブシェール、ポリュゾ・・・枚挙に暇がないほどの上質な一級畑が存在しています。
ムルソーの代表的なプルミエ・クリュ
ブシェール / BOUCHERES
日照に恵まれ、濃密で凝縮感のある味わい。蜂蜜を思わせるリッチな風味と柔らかさが魅力。
ポリュゾ PORUSOTS
石灰を思わせるミネラルの風味が特徴。繊細かつ長命なワイン。
ジュヌヴリエール GENEVRIERES
洗練された、果実とミネラルのバランス感が秀逸。世界的に人気の銘醸畑。
ペリエール PERRIERES
ミネラル感、果実味、力強さを兼ね備えた深遠な味わい。
シャルム CHARMES
ムルソー最大の一級畑。芳醇でふっくらとした肉感的なスタイル。
ブラニー BLAGNY
ピュリニー・モンラッシェに隣接する一級畑。ミネラルと酸が美しい淡麗なスタイル。
グット・ドール GOUTTE D’OR
表土が薄く、ムルソーのプルミエクリュの中でも特にミネラルが豊富。
※地図の出典:https://www.bourgogne-wines.jp/
伝統製法を守り続けるムルソーの白ワイン
ワインラヴァーを垂涎のムルソーの白ワイン。
その味わいは黄金の雫と形容されるほど。
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