シャンボール・ミュジニーとヴォーヌ・ロマネに挟まれた絶好の区画に位置するヴージョ村。村の名前は、村の近くを流れるヴージュという名の小川に由来しています。
ヴージョを代表する特級畑クロ・ド・ヴージョは、コート・ド・ニュイ地区最大級の49.13haの面積を誇る畑です。ヴージョのブドウ作付面積のなんと約75%を占めており、これほど特級畑の占める比率が高い村は他にありません。
クロ・ド・ヴージョは村唯一にしてコート・ド・ニュイ地区最大の特級畑ですが、これはシトー修道院が長年単独で畑を管理していたことが大きく関係しています。彼らは1110年からブドウ栽培をはじめ、1789年のフランス革命までクロ・ド・ヴージョを所有していましたが、革命後に没収され競売にかけられました。現在は約80名以上もの栽培者や生産者に分割所有され、広大で多様なクロ・ド・ヴージョはまるで小さなステッチのタペストリーのようだと形容されています。
クロ・ド・ヴージョの石垣内には、シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョがあります。シトー修道院の建てた館で、フランス革命が起こるまでシトー派が所有していました。その後、利き酒騎士団(Confrerie des Chevaliers du Tastevin)に譲渡したことで、現在ブルゴーニュのブドウ畑の歴史を残す歴史遺産として、ワイン関連の博物館となっています。利き酒騎士団の会合で使われるほか、毎年11月第3土曜日から3日間にわたって開催される栄光の3日間(Les Trois Glorieuses)では、初日の土曜日にここで利き酒騎士団の入団式や晩餐会が行われます。
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