ブルゴーニュ地方の南方に位置するマコネ地区は、比較的温暖な気候の影響を受けるエリアであり、そのテロワールに由来するニュアンスが出来上がるワインにも充分に現れる傾向がある。

この地区で生産されるワインの多くはシャルドネから造られる白ワインであり、凝縮した果実のニュアンスと共に、樽熟成由来のフレーヴァーを感じるものが多い。

その中で有名なワインとしては、「プイィ ・フュイッセ」「マコン・ヴィラージュ」「ヴィレ・クレッセ」「サン・ヴェラン」等があり、ワイン愛好家であれば一度は耳にした、もしくは実際に飲んだことがあるワインばかりなのではないだろうか。

これらのワインは、日本のワインショップでも頻繁に見かけ、多くのフレンチレストランのワインリストにもオンリストされているのを目にする。

ではどんなワインなのか、一つの例として、私がイメージする「プイィ ・フュイッセ」のテイスティングコメント例をここに挙げてみるので参考にしてみていただきたい。

外観は、やや濃いめのイエロー、粘性はやや高めで、見た段階からブドウの成熟度の高さを感じることができる。

香りは、熟したリンゴや洋梨、時にはパイナップルのようなトロピカルフルーツの印象を受ける。そこに炒ったアーモンドやヴァニラ、トーストのような、樽熟成に由来する香りも、よりワインに複雑性と芳醇さを与えてくれる。

味わいは、ややしっかりめのボリューム感があり、果実の成熟度が高く、酸がしなやかで優しく広がり、味わいの余韻にかけて奥行きのあるミネラルのニュアンスが広がる。「フレッシュで爽やか」な白ワインとは違い、「芳醇でまろやか」なタイプという方がこのワインを表現するのには当てはまる。

このようなスタイルのワインであれば、飲用温度としては、あまり冷やしすぎずに、冷蔵庫の温度よりも高めの10~14度くらいで飲むことで、その芳醇でまろやかな個性を充分に発揮することができるだろう。

合わせる料理も、香ばしく焼いた食材の方が、この木樽からくるローストしたニュアンスとよくマッチするし、クリームやバターを使ったソースを合わせれば、よりこのまろやかな味わいと相乗し、まさに理想的な料理とワインのマリアージュに近づくことができると考えている。

今から約2年前、プイィ ・フュイッセのトップの生産者のお一人である、オリヴィエ・メルラン氏と、青山のフレンチレストランでランチをご一緒させていただく機会に恵まれた。その時の会話の中で特に私の印象に残ったのは、「自分が生きている間に、プイィ ・フュイッセに、プルミエ・クリュ(一級畑)のワインを誕生させたい。」という氏の言葉だった。

プイィ ・フュイッセでは、その歴史の中で、現在に至るまでどの区画もその称号を名乗ることが許されていなかったのだが、プルミエ・クリュに充分に匹敵するテロワールが存在し、コート・ド・ボーヌの一級畑から生まれる白ワインにも引けをとることのない、ハイクオリティなワインが生産されている。

将来必ず来るであろう「プイィ ・フュイッセ プルミエ・クリュ」誕生の日を、私も楽しみに待ちたいと思う。

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記事著者

田邉 公一

ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」講師。 また、都内レストランや企業ドリンクアドバイザー、各種飲料のイベント監修、コメンテーター、執筆、プロモーションなど幅広く活躍。日本酒の難関資格「SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL」の1 人。2007 年ルイーズ ポメリーソムリエコンクール優勝。

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