ワインの評価を示す「パーカー・ポイント」。
市場では「WA(Wine Advocate)」という表示でその点数が記載されているところをよく目にします。

パーカー・ポイントは、同じ銘柄であっても経年・熟成による味わいの変化に対応するように数年の間隔を空けて複数回付与される場合もあります。
ワインの美味しさ、質について信頼できる指標として今や世界の共通認識として存在しており、ワインを選ぶ際にはこちらを参考にするという方も多いでしょう。

さて、このパーカー・ポイントの仕組みを作り上げたのはロバート・パーカー氏ですが、いったいどのような人物でしょうか。 今回はパーカー・ポイントの成り立ちについて詳しくご紹介します。

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目次

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  1. ロバート・パーカーとは?
  2. ロバート・パーカーが評論家になるまでの経緯
  3. ロバート・パーカーの影響が大きくなったきっかけ
  4. パーカーポイントとは?
  5. ロバート・パーカー引退
  6. ロバート・パーカーが認める品質のワインを購入・保管するには

ロバート・パーカーとは?

パーカー・ポイントの成り立ちを語るのに欠かすことのできない、その通称の由来となった人物ロバート・パーカー氏。
まずはロバート・パーカーについてご紹介します。

「ワインの帝王」と呼ばれたワイン評論家

ロバート・パーカーは、1980年代から2010年代までの約30年間ワイン市場へ多大な影響を与えたワイン評論家です。
彼の評論は世界のワイン市場を動かす程の影響力があり、当時ロバート・パーカーが高評価をつけると、そのワインは桁違いに価格が上昇し、完売となる現象が相次ぎました。

特異性のあるワイン評論家

パーカーの評論の特徴は「由緒も伝統もどうでもいい。グラスの中のワインだけを評価する」という信念にあります。

例えば彼は他の著名なワイン評論家とは違い、広告を取らない活動を行っていました。
広告を取る場合、広告主のワインを評価する際に「広告を切られたくない」という心理的な圧力から、公正な評価が難しくなる可能性があるためです。

また、パーカーは「製造・流通業界と距離を置き、直接・間接を問わず金銭的な支援を受けず、独立した立場からワインを評価する」という主義を貫いていました。
彼はグラスの中のワインだけを評価し、由緒ある著名な蔵元にさえ低い点数を付け、酷評することが度々ありました。

ロバート・パーカーが評論家になるまでの経緯

次に、ロバートパーカー氏がワインの評論家として活動するにいたるまでの経緯をご紹介します。

生い立ち

ロバート・パーカーは1947年にアメリカ・メリーランド州で生まれ、モンクトンという田舎の地で育ちました。
モンクトンはワイン産地でも大都市でもなく、ワインとは縁遠い地です。

大学とロースクール時代にはここを離れ、都会のボルディモアに移り住みました。

ワインとの出会い

1967年、彼の学生時代に、ヨーロッパ旅行でフランスを訪れた際にワインに魅了されたと言います。
旅行を終え大学に戻り、早速友人と共にワイン・テイスティングのサークルを結成。
そこではワインの味の違いを研究したり、ワインに関連した書籍を読んだりと様々な活動を行いました。

社会人として働くようになってから、モンクトンの隣町であるパークトンに住み、ワイン評論家としての活動を始めることになります。

評論家人生の始まり

彼は1973年の夏に法科大学院を卒業した後、弁護士となっています。
この時代は高級ワインを試飲する会に所属し、様々なワインを楽しみました。

対外的に評論家人生を歩み始めたのは、1978年8月に「ボルディモア=ワシントン・ワイン・アドヴォケイト(後のワイン・アドヴォケイト)」というニュースレターを創刊して以降となります。

当時はこのニュースレター刊行という副業の収入をワイン購入費にあてる目的があったと言われており、1984年3月には法律職からも退き、ワイン評論家の活動に専念するようになりました。

ロバート・パーカーの影響が大きくなったきっかけ

ロバート・パーカーの評論の影響が絶大なものになる転機は、1982年に行われたボルドーでのプリムール・テイスティングと共に訪れました。

多くのワイン批評家の評価が低い中、ロバート・パーカーはこの年について「最高のヴィンテージ」と高評価を残したのです。
当時ワインの世界で影響力をもっていたイギリス人たちでさえ酷評していたのに対して、結果的に1982年のボルドーワインは市場に出ると好評で売れ行きが良く、価格は上昇し続けました。

今では1980年代を代表するグレートヴィンテージと認識されている1982年の良さを、唯一プリムールのテイスティングの段階で見抜いたことで、ロバート・パーカーは「神の舌」を持つ評論家として一躍その名を知らしめたのです。
これがロバート・パーカーの評価が市場を動かし始めるきっかけとなりました。

パーカーポイントとは?

現在もワインの指標としておそらく最も注目されるパーカーポイント。
これはロバート・パーカー氏が付けた評価を指すものですが、より詳しく説明します。

100点満点のワイン評価基準

パーカーポイントはロバート・パーカーにより創案された、100点満点でワインを採点する評価法です。
当時は「20点法」や「星の数」で評価するのが一般的でしたが、これでは評価が分かりにくいとロバート・パーカーは感じていたのです。

パーカーポイントの影響

パーカーポイントは「シンデレラワイン」を市場に数多く生み出しました。

シンデレラワインとは?
無名のワインが評論家に高得点を与えられることで価格が一気に跳ね上がり、トップワイナリーに仲間入りすることを、一晩にして状況が好転する物語「シンデレラ」になぞらえ、「シンデレラワイン」と呼ぶことがあります。

このような事例を受け、パーカーから高評価を得るために、パーカー好みのワインを造るワイン生産者が続出しました。

パーカーポイントへの評価

ロバート・パーカーはイタリアの大統領から1度、フランスの大統領から2度、勲章を与えられています。

フランスのフランソワ・ミッテラン大統領は「品質向上に、唯一無二の貢献をしてくれた」と称し、フランスでの2度目の受勲の際、ジャック・シラク大統領は「世界で最も権威があり、影響力のある評論家」と敬意を示しました。

反対に、パーカーポイントはパーカーの個人的好みを表現しているに過ぎず、ワインの味わいがパーカー好みに画一化されるとの批評も受けました。

ロバート・パーカー引退

ロバート・パーカーは2019年の5月、引退を表明しました。
彼は膝などを痛めて産地への移動が難しくなっていたことなどを受け、2006年頃からは多くの仕事を助手に任せるようになっていました。

会社としてのワイン・アドヴォケイトについては、2012年12月に株式の過半数がシンガポールの投資家に売却されており、2017年にはレストランガイドで名の知れたミシュランが株式の40%を取得。
2019年にはミシュランが全株式を取得し、100%のオーナーとなっています。

ロバート・パーカーが認める品質のワインを購入・保管するには

今回はロバート・パーカー氏の活動やパーカーポイントについてご紹介しました。
彼が高得点を付けたワインは長期熟成のポテンシャルに優れており、ワイン愛好家としては大いに注目したいものです。

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記事著者

寺田倉庫ソムリエチーム

寺田倉庫専属ソムリエです。 ワインの購入から保管まで、みなさまのワインライフをサポートさせていただきます。ワインについてお困りごとがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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