世界最高峰のグランヴァンとして一角をなす、フランスの赤ワイン「シャトー・ラトゥール」。
その豊かな味わいはさることながら、個性的なテロワールと長い歴史によって、確固たる地位が築かれています。
高品質なシャトー・ラトゥールの当たり年ワインは、さらに希少価値が高く、特別な日のプレゼントにも最適です。
今回は、フランスの名作・シャトー・ラトゥールの概要から当たり年ワインの特徴、良質なワインの選び方、保存方法までわかりやすく解説します。
5大シャトーの1つ「シャトー・ラトゥール」とは?
格付けの一級に値する、シャトー・ラトゥール。名前は聞いたことがあっても、詳しい成り立ちや特徴を知らない方もいるかもしれません。
ここでは、シャトー・ラトゥールの基本情報や知られざる歴史、味わいの特徴についてご説明します。
シャトー・ラトゥール(Château Latour)とは
塔をシンボルとするシャトー・ラトゥールは、1855年のメドック格付けで最高ランクに選ばれた、世界的に名高い一級シャトー生産者です。
フランス・ボルドー地方のメドック地区ポイヤックに生産地を構え、力強く骨格のある重厚な赤ワインを生産しています。ラフィット、マルゴー、オー・ブリオン、ムートンと並び、高級ワインを生み出す5大シャトーの1つです
シャトー・ラトゥールの畑は、ジロンド川に隣接しており、砂利や小石から構成される粘土質の土壌が特徴です。この他に類を見ないテロワールによって、複雑さと凝縮感が生み出されます。
また、比較的穏やかな気候のため、ヴィンテージに関わらず安定した品質を誇っている点でも評価されています。
シャトー・ラトゥールの歴史
シャトー・ラトゥールは、5大シャトーの中でもとりわけ長い歴史を持っています。
1378年の時点ですでにワイナリーとして稼働していたという記録が残るほどです。
また、ラトゥールのシンボルである塔は14世紀中頃に建設され、1838年にはワインボトルのイラストが描かれたと言われています。
1960年代、膨大な費用がかかるにも関わらず、他のメドックのシャトーに先駆け、シャトー・ラトゥールはある大胆な施策を実施しました。
老朽化が進んでいたオークの仕込み槽を撤去し、ステンレスタンクを用いた醸造方法を採用したのです。
この取り組みによって、不毛の年でも高品質なワインを生産し、五大シャトーの中でも高い評価と不動の地位を確立しました。
さらに、2012年には、シャトー・ラトゥールは先物取引方式(プリムール)から脱退し、飲み頃を迎えたワインのみを販売すること発表しました。これにより、品質の高いワインが保証される一方で、価格高騰が懸念されています。
シャトー・ラトゥールの味わい
シャトー・ラトゥールは、「男性的なワイン」と表現されるほど、パワフルで風格のある味わいを持っています。一般的には、カベルネ・ソーヴィニョンが大半を占め、メルローやカベルネ・フランなどの品種が少量ブレンドされています。色が濃く、タンニンが豊富で凝縮感にあふれる風味が特徴です
また、シャトー・ラトゥールは非常に長命のワインでもあります。時間をかけて熟成させることで、タンニンの角が取れ、力強さと豊かなコク、円熟した深みが見事にバランスよく引き出されます。
シャトー・ラトゥールの当たり年は?
品質の優れたシャトー・ラトゥールですが、当たり年のワインは、さらに複雑で深い味わいを見せます。
ワインの「当たり年」とは、ワインの品質を決めるブドウの出来が良く、高品質なワインが生産された年を指します。
当たり年のワインは、特に高いパーカーポイントを獲得することが多いです。
このパーカーポイントとは、アメリカの有名なワイン評論家であるロバート・パーカー氏が考案したワインの点数のことで、ワイン評論誌「ワイン・アドヴォケイト」において使用されています。
ここからは、パーカーポイントやワイン評論誌で高得点を獲得したシャトー・ラトゥールの当たり年ワインをご紹介します。
パーカーポイントの評価による影響と高得点がつけられるワインの特徴
シャトー・ラトゥールの代表的な当たり年一覧
- 1982年
- 1990年
- 2000年
- 2003年
- 2005年
- 2009年
- 2010年
- 2015年
シャトー・ラトゥール [2010]
特徴
WA100点×2回、Vinous100点×2回、JS100点、合わせて500点獲得。
辛口にながら、素晴らしく甘いタンニンを持つ、華やかなフルボディのワインです。
ロバート・パーカー氏は「この年のヴィンテージにおいて、完璧なワインの1つ」と評し、満点以上の価値があることを言及しています。
参考価格
10万円台~50万円台
シャトー・ラトゥール [2009]
・特徴
WA100点×2回、JS100点、Vinous99点獲得。
ブラックベリーやカシス、ブルーベリーなどのフレッシュな果実味を持ち、長期熟成のポテンシャルに満ちた濃厚なフルボディワイン。
口に含むとパワフルで豊かな風味がふわっと広がり、1分以上続く余韻を楽しめます。
・参考価格
10万円台〜50万円代
シャトー・ラトゥール [2005]
特徴
WA98点獲得。
濃縮感のある力強い口当たりを持ちながら、甘く熟成されたタンニンを兼ね備えた、メドック地区の逸品。
グラスに注ぐとアロマのフレッシュな香りが立ち込め、次第に花の香りが広がります。50年以上も熟成可能とされ、年月を超えて味わいの変化が期待されるワインです。
・参考価格
20万円台〜40万円台
シャトー・ラトゥール [1982]
・特徴
ロバートパーカー氏100点、WA100点獲得。
1982年のシャトー・ラトゥールは伝説と称賛される、ボルドーワインの代表作とも言える希少な当たり年ワインです
見た目はルビーのような濃厚な色合いを持ち、豊富な果実が濃縮されたフルボディ。
しっかりと熟成されたタンニンと長いフィニッシュが、さらに味わいを際立たせています。
・参考価格
20万円台〜100万円台
シャトー・ラトゥールの選び方と保管方法
最高峰の赤ワイン、シャトー・ラトゥールを購入する際には、選び方のコツが重要です。さらに、最適な保管方法を実践することで、ワインの品質がより長持ちさせることができます
次は、シャトー・ラトゥールの選び方と、美味しく熟成させるための適切な保管方法について解説します。
シャトー・ラトゥールの選び方
当たり年のシャトー・ラトゥールは高く評価されていますが、ヴィンテージチャートを参考にするのもおすすめです。
チャートには、その年に収穫されたブドウの出来や、ワインの品質の良し悪しを分析した表が示されており、良質なワインを選ぶのに役立ちます。
また、セカンドラベルやサードラベルを選択肢として考えるのもいいでしょう。
セカンドラベルは、ファーストワインとは異なる区画で収穫された、若いブドウを使用したワインを指します。サードラベルは、ファーストワインやセカンドラベルよりも手頃な値段で入手できるワインのことです。どちらのタイプのワインも、ファーストワインと同じブドウ品種や栽培・醸造方法で作られることが多く、高品質なワインも多く存在します。
シャトー・ラトゥールのセカンドワインとサードワインには、以下のラベルがあります。
- セカンドワイン:レ・フォール・ド・ラトゥール
- サードワイン:ポイヤック・ド・ラトゥール
レ・フォール・ド・ラトゥールは、樹齢約40年のブドウを使用し、グラン・クリュと同様の醸造工程で製造されています。
ポイヤック・ド・ラトゥールは、メルロー比率が高めで、濃密な果実味と滑らかな口当たりが特徴の稀少ワインです。
ヴィンテージワインが人気の理由は?選び方と購入したあとのポイント
シャトー・ラトゥールを飲み頃になるまで適切に保管するには?
シャトー・ラトゥールは、5大シャトーの中でも長期熟成に向いているワインとされ、20年以上熟成することが望ましいと言われています。
ワインの長期熟成には、どのような環境で保管するかが重要です。
温度は一定に保ち、直射日光を避け、湿度も適度に保つことが推奨されています。
ワインセラーを利用するか、地下室などの涼しく暗い場所で保管するのが理想的です。
TERRADA WINEで実現、晩熟のシャトー・ラトゥールの当たり年ワインを最適に保管・管理
今回のコラムでは、シャトー・ラトゥールの魅力とおすすめの当たり年ワイン、選び方や保存のコツをご紹介しました。
晩熟のシャトー・ラトゥールを整った保存環境でじっくり熟成させることで、真の美味しさに出会えます。
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