メドック格付け第1級の「5大シャトー」のひとつ、シャトー・オー・ブリオン。メドック格付けシャトーに選ばれた61シャトーのうち、このシャトー・オー・ブリオンのみがグラーヴ地区に位置しています。

ここでは「フランスの救世主」とも称えられるシャトー・オー・ブリオンの歴史や特徴、当たり年について詳しくご紹介します。

シャトー・オー・ブリオンの基礎知識

ポイヤック村に位置するシャトー・ラトゥール、シャトー・マルゴー、シャトー・ムートン・ロスチャイルド(ロートシルト)、シャトー・ラフィット・ロスチャイルド(ロートシルト)に並ぶ、格付け一級の五大シャトーの1つということで、シャトー名をご存知の方は多いかもしれません。
ここでは、長年にわたり発展を続け、偉大な存在であり続けるオー・ブリオンの歴史や味わいなどの特徴に触れます。

シャトー・オー・ブリオン(Château Haut-Brion)とは

シャトー・オー・ブリオンは、世界で最も名高い赤ワインの銘醸地・フランス、ボルドー地方の5大シャトーの1つです。シャトー・オー・ブリオンという名前は、ワインの銘柄を指すものでもあり、生産者を指すものでもあります。
初めにも触れましたが、オー・ブリオンは1855年に制定されたボルドー・メドック格付けにて、唯一メドック地区以外のワインとして選ばれました。

その人気と質の高さ、偉大な歴史などから例外的な存在としてグラーブ地区を代表するシャトー・オー・ブリオンは、「フランスの救世主」としても有名です。こちらの詳細も解説します。

18世紀~19世紀にかけて起こったナポレオン戦争と呼ばれる数々の戦争に敗戦し国の存続が危ぶまれたフランス。各国の代表を招き敗戦国の処遇を決めるウィーン会議中、フランスは連日、豪華な食事とワインなどのお酒で彼らをもてなしたのです。

ここで振る舞われたワインが、シャトー・オー・ブリオン。その美味しさから、各国の代表たちは態度を和らげ、フランスはほとんど領土を失うことなく、この局面を乗り越えられたと言われています。

ボルドー5大シャトーとは?シャトーの歴史とワインの特徴

シャトー・オー・ブリオンの歴史

シャトー・オー・ブリオンは、1533年にフランス・ボルドー地方、グラーヴ地区で創設されました。

「スーティラージュ(澱引き)」「ウイヤージュ(補酒)」などの手法を世界で最初に導入したことで知られていますが、ワインの醸造において技術革新を起こしたことで、いち早くイギリス市場に進出しました。

その後はロンドンのレストランでの評判や、前述の通りウィーン会議中の晩餐への提供等で瞬く間に名声を高めていきます。 4つのファミリーの所有を経て、20世紀半ば以降はアメリカのディロン家が所有し、今ではルクセンブルク大公国のロベール殿下が受け継いで高品質なワインを生産し続けています。

シャトー・オー・ブリオンの特徴

シャトー・オー・ブリオンは、きめ細やかな質感と複雑な香りが特徴のフルボディの赤ワインです。

カベルネ・ソーヴィニョンやカベルネ・フランよりもメルローというブドウ品種のブレンド比率が他のボルドーワインに比べて高いことで渋みが少なく、口当たりが柔らかなスタイル。
かつ、優れた凝縮感と複雑なアロマ、深みのある風味を備えています。

この味わいの特徴により、まだ若いうちに飲んでも十分にそのエッセンスを堪能でき、長期熟成に耐え得るポテンシャルやパワフルさも備えていることから、「最も飲み頃の期間が長い」ワインであると言われています。

欧州でも比類なきエレガンスと毎年異なる天候にも左右されない安定した品質を高く評価されていますが、日本でも同様に熱狂的なファンが多いシャトーです。

フランスなどと比較するとワインを飲む機会の少ない日本人にとっても、柔らかで艶と奥行きのあるオー・ブリオンは、人生においてのベストワインとして記憶に残る、そんな印象的なワインであると言えるでしょう。

シャトー・オー・ブリオンの当たり年は?

毎年安定した高品質さを示すオー・ブリオンですが、中でも当たり年に注目するコレクターは少なくありません。

ワインの当たり年とは一般的に、「質の良いブドウを十分な量収穫できるに適した、天候に恵まれた年」を指します。
テロワールに恵まれた質の良いブドウからは、長期間の熟成にも耐え得るレベルの「果実味の凝縮味」「酸味」を備えた味わいのワインに仕上がることが多いため、値段が高くなる場合が多い中でも、愛好家はそのヴィンテージが「当たり年」のものであるかどうかに注目するのです。

ここではシャトー・オー・ブリオンの当たり年をご紹介します。

シャトー・オー・ブリオンの当たり年一覧

  • 1982年
  • 1990年
  • 2000年
  • 2005年
  • 2009年
  • 2015年
  • 2016年
  • 2018年

シャトー・オー・ブリオン [2005]

特徴

ワイン・アドヴォケイト誌で100点満点を獲得。
ミネラル感が豊富で、非常に複雑で高貴なアロマが別格の仕上がりです。

参考価格

12万円台~17万円台

シャトー・オー・ブリオン [2009]

特徴

ワイン・アドヴォケイト誌で100点満点を獲得。
濃厚かつキメ細やかなタンニンで、しっかりとした骨格が特徴の仕上がり。
エレガントな風味とまろやかで豊かな旨味が魅力のヴィンテージです。

参考価格

14万円台~16万円台

シャトー・オー・ブリオン[2016]

特徴

有名評論誌5誌が100点満点をつけたことで「500点オー・ブリオン」などと呼ばれる、グレート・ヴィンテージ。
黒系果実の香りと、骨格のしっかりとしたタンニンが好バランスを保つ、魅惑的な芸術品として称えられます。2016年はボルドー地方という産地全体としても歴史的作柄と言われ、傑出した評価をされているシャトーが多くあります。

参考価格

8万円台~15万円台

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シャトー・オー・ブリオンの選び方

どのヴィンテージも安定して高い評価を受けるシャトー・オー・ブリオンですが、いずれかのヴィンテージを選ぶ場面もあるでしょう。ここでは、いくつかの選び方をご紹介します。

パーカーポイントやヴィンテージチャートを参考にする

パーカーポイントとは、アメリカのワイン評価誌『ワイン・アドヴォケイト』で評論家がつけるワインの評価点数のことです。
評価誌の創刊者であり、世界的に有名なワイン評論家のロバート・パーカー氏の名前にちなんでパーカーポイントと呼ばれています。

当たり年や長期の熟成に向く要素を備えた仕上がりのヴィンテージのワインは、パーカーポイントの点数も高い傾向にあります。

また、ヴィンテージチャートとはワインの産地ごとのそのヴィンテージがブドウ栽培、ひいてはワインの醸造にとって良い天候であったかどうか、点数を表にまとめたものを指します。
高い点数のヴィンテージはブドウの出来が良いため、連動してワインの品質も高くなることが多いです。

パーカーポイントの評価による影響と高得点がつけられるワインの特徴

目的に合わせて年代を選ぶ

シャトー・オー・ブリオンは若いうちから芳醇なアロマと優しい舌触りで、他のシャトーと比較すると飲みやすいものの、20年~30年、もしくはそれ以上の長期熟成に耐え得るワインです。

熟成によって渋み(タンニン)や酸味が旨味に変わり、そのアロマや味わいはよりエレガントに、複雑味と奥行きを増していきます。
例えば自分の子供など、若い年齢の人にプレゼントする際は新しいヴィンテージのものを用意して熟成を待って飲んだり、祖父母や目上の人への贈答品であれば今既に飲み頃を迎えているヴィンテージを用意したりと、購入の目的や求める味わいに応じて年代を選ぶこともおすすめです。

ヴィンテージワインが人気の理由は?選び方と購入したあとのポイント

セカンドワインも検討する

セカンドワインとは主に、ワイナリーでのブドウの収穫時やブレンドなどワイン造りの途中の段階で、惜しくもファーストラベルには選ばれなかったものの、十分な品質を持つブドウ・液体を使って作られるワインを指します。同じ畑の中でも、樹齢が若い樹のブドウが用いられることもあります。

ファーストラベルに比べて比較的安価に入手でき、そのシャトーの味わいのエッセンスを気軽に感じることができます。
シャトー・オー・ブリオンは、ファーストラベルのほかに以下のワインを手掛けています。

シャトー・オー・ブリオン・ブラン(Chateau Haut-Brion Blanc)

わずか3haの畑のブドウから造られる、非常に稀少なオー・ブリオンの白ワインです。
ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンという品種が用いられています。

ル・クラレンス・ド・オー・ブリオン(Le Clarence de Haut-Brion)

2006年までは「バアン・オーブリオン」という名前でリリースされていた、オー・ブリオンのセカンドラベルです。
ファーストラベルであるシャトー・オー・ブリオンと同じ畑から採れたブドウを用いて仕立てられています。

ラ・クラルテ・ド・オー・ブリオン・ブラン(La Clarte de Haut-Brion Blanc)

オー・ブリオン・ブランとラ・ミッション・オー・ブリオン・ブランのブドウをブレンドして仕立てられる、贅沢で稀少な白ワインです。

熟成がたのしみな当たり年のシャトー・オー・ブリオンを最適に保管・管理

シャトー・オー・ブリオンは飲み頃とされる期間が長い高級ワインですが、長期熟成を経たその味わいはやはり別格です。
しかし、ワインの長期熟成には適した条件がいくつかあり、条件を満たした環境を維持できない場合、「良い熟成」ではなく「劣化」が進んでしまうリスクが発生します。

シャトー・オー・ブリオン購入や保管には「TERADA WINE」がおすすめ

そこでおすすめしたいのは、ワインの購入と保管ができる「TERRADA WINE」の利用です。

TERRADA WINE MARKETでは、シャトー・オー・ブリオンを含む5大シャトーのような高級赤ワインや、ソムリエ厳選の希少な白ワイン、古いヴィンテージの銘柄などを豊富に取り揃えています。
地域やヴィンテージ、販売価格、味わいごとに検索ができるため、ご自身のお好みに合ったワインを見つけやすくなっています。

また、「TERRADA WINE MARKET」で購入していただいた商品は、そのままTERRADA WINE STORAGEボトル保管へお預け入れが可能です。

TERRADA WINEの倉庫は、温度管理や湿度管理が徹底されており、ワインの品質を最大限に良い状態で保つための環境が整っています。
また、セキュリティ対策も万全であり、安心してワインを預けることができます。
飲み頃を迎えるまでの保管・管理にお困りの際には、TERRADA WINEのサービスを活用して、ワインの品質を確保してはいかがでしょうか。

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フランス南西部に広がる温暖な気候のボルドーは、フランス最大のワイン産地であり、世界の冠たる赤ワインの銘醸地。
とくに5大シャトーを有するメドック地域が有名で、しっかりとしたフルボディと、いかり肩のボトルが特徴です。

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