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シャトー・ムートン・ロートシルト 2015年 750ml メドック格付第1級

酸味
甘み
ボディ

TERRADA WINEからのコメント

1973年にメドック格付の歴史上で唯一格付け二級から一級に昇格したワインとして知られる。毎年著名な画家や彫刻家ににより描かれたラベルは、その芸術性からコレクターも多い。エレガントで複雑な香りと上質なタンニンが楽しめるファンタスティックなヴィンテージの2015年。

商品説明

故フィリップ・ロートシルト男爵が独自につくり上げた場所であり、ワインである。21歳でこのシャトーを得たとき、彼が並々ならぬ野心を抱いたのは疑いないことだ。 しかし、豊かで著しく深みのあるエキゾチックなスタイルのポイヤックの生産によって、彼は「1855年のメドックのワインの格付けを変えさせた、唯一の男」になったのである。男爵は1988年1月に死去。今はその娘フィリピンヌがこのワイン造りの帝国の精神的頂点にいる。彼女は常に、パトリック・レオン率いる有能なムートン・チームの頼もしい協力を得てきた。 1973年、ムートン=ロートシルトは公式に『一級シャトー』と格付けされる。こうして、異才の男爵は、彼の挑戦的ワインのラベルの言葉を、『一級にはなれないが、二級の名には甘んじられぬ、余はムートンなり』から、「余は一級であり、かつては二級であったムートンは不変なり」と変えた訳である。疑問の余地なく、私が飲んだボルドーの最もすばらしい瓶のいくつかはムートンだ。なぜこのワインが商業的に成功したか、理由はいろいろある。まず、ムートンのラベルが収集の対象であること。1945年以来、フィリップ・ロートシルト男爵は、画家に年に一枚、絵の作成を依頼し、それがラベルを飾った。ムートン=ロートシルトのラベルに登場する大家にはこと欠かなかった。ヨーロッパからミロ、ピカソ、シャガールにコクトー、アメリカ人ではウォーホル、マザーウェル、そして1982年にはジョン・ヒューストン。次に、すばらしいヴィンテージにおけるムートンのふくよかさが、ラフィット=ロートシルトの厳しい優雅さと、そして濃密で逞しく力強く、タンニンのきいたラトゥールと、かなり違ったスタイルを持つこと。三番目には、申し分なく維持されたシャトー自体が、その一流のワイン博物館とともに、メドックの(そして多分全ボルドー地域でも)最高の観光地であること。最後に男爵自身、彼が自らのワインのみならず、ボルドーのすべてのワインを普及させるために尽力したということがある。彼の娘フィリピンヌも、父の遺産を十二分に存続させる力がありそうだ。 (ロバート・パーカー)

ヒュー・ジョンソン氏は、「公式に第1級格付として認められたのは1973年だが、実質的にはずっと以前からそうだった。王者らしい豊潤さをもつ、多くの場合メドックで最も豊麗なワインになりうる。1991年からは白のエル・ダルジャン Alie d'Argent(銀の翼の意)も産している。」として満点評価の★★★★4つ星!

「ムートンが好きではないのですね」と、よく指摘される。否定はしない。なぜならムートンには、ネガティブな感情を抱かざる得ないふたつの大きな理由があるからだ。まず、45年、82年、86年のような衝撃的なヴィンテージがたまに訪れるとしても、通常は余韻が軽く、エネルギー感が最後まで持続しない。次に樽が強すぎてフィネスに欠ける。正直言って、今回も期待していなかった。ところがそのネガティブな感情は、2005年のワインを口に含んだ瞬間、吹き飛んだ。今までの過剰な樽風味がなくなっていた。凝縮度が向上し、溌剌として明快なムートンならではの味わいがより実体感を獲得して、エネルギー感を増していた。そして余韻もしっかりと長かった。この劇的な変化をもたらした原因は、ひとつしか考えられない。新しいテクニカル・ディレクター、フィリップ・ダルアンだ。シャトー・ブラネール・デュクリュを驚くべき品質のワインへと向上させた彼が、ムートンに移籍すると初めて聞いたのは、2003年の春だった。その時の彼の表情からは、並々ならぬ意気込みが感じられた。「これでムートンは変わる」と思った。そしてその思いは現実になった。数多くのムートンを飲んできた彼は、問題点を把握していた。自分ならもっとうまく造ることができるという自負があった。「前任者のパトリック・レオンは、ムートン・カデまでを含む、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・グループすべてのワインを監督していた。その中にはオーパス・ワンも、アルマヴィーヴァも、バロン・ダルクもある。世界中を飛び回り、なおかつムートンで最高の仕事をするのは無理だ。実際、彼はムートンには2週間に1回しか来なかった。だから自分は条件を出し、ネゴシアン系のワインには関与しないことにした」。彼は2003年ヴィンテージから立ち会った。「パトリックがワイン造りを見せてやるというから、ああそうですか、と見ていた。2004年からは自分の思いどおりにやった。それまでのミディアム・ハイ・トーストの樽をやめ、ミディアム・トーストにした。選別も厳しくした」。そのことで、「今まで見たこともないほど完璧に熟したカベルネ・ソーヴィニヨンの持つ果実そのものの力」と「平均樹齢50年という古木ならではの複雑性と凝縮度」が、素直に表現されるようになった。彼は当たり前のことをしたまでだ。しかし彼はとてつもなく重大な変化をムートンにもたらした。つまり本物の1級にならしめたのだ。
以上ワイナートより抜粋


シャトー・ムートン・ロートシルト 2014年

【収穫期間】
2015年9月14日?10月2日
【アッサンブラージュ】
82% カベルネ・ソーヴィニヨン
16% メルロ
2% カベルネ・フラン

暗く鮮やかな色調の美しい外観。紫かかった光沢。香りは上質でエレガント。まず、野生のブラックベリーやブルーベリーを思わせる果実のアロマが広がり、トーストパン、リコリス、白タバコのノートが豊かで複雑なアロマパレットをさらに彩ります。みずみずしく、肉厚で、塩っぽさのあるアタック。極めて濃醇。ビロード感のあるクリーミーなタンニン。絹を思わせるなめらかなテクスチュアで包まれています。ほのかなミネラル感がアクセントになっています。味わいにはすべての要素が整っており、完熟果実の香りおよびペッパーを思わせるスパイス香が豊かに香ります。後味には素晴らしく長い余韻。試飲終盤のバランスは絶妙です。

2015年は平年に比べて少しばかり高温の年ではありましたが、それ以上に2月から7月にかけて、つまり萌芽から着色まで、とにかく乾燥した(平均年間降水量862ミリメートルに対して706ミリメートル)天候が特徴的でした。花の時期には平年並みの生産量が期待されましたが、果粒サイズは小さいままで、むしろひかえめな収量となりました。8月および9月は平年を上回る降水量を記録しました。ブドウ樹はすでにこの時点で水分欠乏に悩まされていましたが、この雨のおかげで生育サイクルの中断を起こすことなく、順調に生長を続けました。テロワールやブドウ品種、そして樹齢の違いによって、熟度の進み具合には区画に差異がありました。品種ごと、区画ごとに、最適な熟度での収穫にこだわり、「ヴィニュロンの記憶」の中でも最も長期にわたった収穫作業となりました。9月14日にメルロの収穫がスタートし、10月6日にカベルネ・ソーヴィニヨンで終了するまで、グループのドメーヌ3軒での作業日数は23日間におよびました。ブドウ果実の状態は素晴らしく、醗酵は短期間で進みました。ワインは即座に美しい色味を含み、アロマ表現は極めて濃醇。赤果実および黒果実からはじまり、スパイスやインセンス(お香)まで、非常に多彩なアロマを感じ取ることができます。全体的なタンニンの特徴として、かなり丸みがあり濃密で、ざらつきは感じられません。アッサンブラージュ後もアロマの濃さに変わりはなく、肉厚で複雑なストラクチュアも健在です。樽内での育成・熟成によってそれらはさらに強化されるでしょう。我々の手によるポイヤック2015年は、風味の豊かさと肉づきの良さを特徴とし、2005年との類似性を強く感じさせるワインです。