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シャトー・ムートン・ロートシルト 2013年 メドック格付け第1級

酸味
甘み
ボディ

TERRADA WINEからのコメント

1973年にメドック格付の歴史上で唯一格付け二級から一級に昇格したワインとして知られる。毎年著名な画家や彫刻家ににより描かれたラベルは、その芸術性からコレクターも多い。リ・ウーファン氏のラベルが冠された2013ヴィンテージです。

商品説明

故フィリップ・ロートシルト男爵が独自につくり上げた場所であり、ワインである。

21歳でこのシャトーを得たとき、彼が並々ならぬ野心を抱いたのは疑いないことだ。 しかし、豊かで著しく深みのあるエキゾチックなスタイルのポイヤックの生産によって、彼は「1855年のメドックのワインの格付けを変えさせた、唯一の男」になったのである。

男爵は1988年1月に死去。今はその娘フィリピンヌがこのワイン造りの帝国の精神的頂点にいる。彼女は常に、パトリック・レオン率いる有能なムートン・チームの頼もしい協力を得てきた。 1973年、ムートン=ロートシルトは公式に『一級シャトー』と格付けされる。こうして、異才の男爵は、彼の挑戦的ワインのラベルの言葉を、『一級にはなれないが、二級の名には甘んじられぬ、余はムートンなり』から、「余は一級であり、かつては二級であったムートンは不変なり」と変えた訳である。

疑問の余地なく、私が飲んだボルドーの最もすばらしい瓶のいくつかはムートンだ。

なぜこのワインが商業的に成功したか、理由はいろいろある。まず、ムートンのラベルが収集の対象であること。1945年以来、フィリップ・ロートシルト男爵は、画家に年に一枚、絵の作成を依頼し、それがラベルを飾った。ムートン=ロートシルトのラベルに登場する大家にはこと欠かなかった。ヨーロッパからミロ、ピカソ、シャガールにコクトー、アメリカ人ではウォーホル、マザーウェル、そして1982年にはジョン・ヒューストン。

次に、すばらしいヴィンテージにおけるムートンのふくよかさが、ラフィット=ロートシルトの厳しい優雅さと、そして濃密で逞しく力強く、タンニンのきいたラトゥールと、かなり違ったスタイルを持つこと。

三番目には、申し分なく維持されたシャトー自体が、その一流のワイン博物館とともに、メドックの(そして多分全ボルドー地域でも)最高の観光地であること。最後に男爵自身、彼が自らのワインのみならず、ボルドーのすべてのワインを普及させるために尽力したということがある。彼の娘フィリピンヌも、父の遺産を十二分に存続させる力がありそうだ。 (ロバート・パーカー)

ヒュー・ジョンソン氏は、「公式に第1級格付として認められたのは1973年だが、実質的にはずっと以前からそうだった。王者らしい豊潤さをもつ、多くの場合メドックで最も豊麗なワインになりうる。1991年からは白のエル・ダルジャン Alie d'Argent(銀の翼の意)も産している。」として満点評価の★★★★4つ星!

「ムートンが好きではないのですね」と、よく指摘される。否定はしない。なぜならムートンには、ネガティブな感情を抱かざる得ないふたつの大きな理由があるからだ。まず、45年、82年、86年のような衝撃的なヴィンテージがたまに訪れるとしても、通常は余韻が軽く、エネルギー感が最後まで持続しない。次に樽が強すぎてフィネスに欠ける。正直言って、今回も期待していなかった。

ところがそのネガティブな感情は、2005年のワインを口に含んだ瞬間、吹き飛んだ。今までの過剰な樽風味がなくなっていた。凝縮度が向上し、溌剌として明快なムートンならではの味わいがより実体感を獲得して、エネルギー感を増していた。そして余韻もしっかりと長かった。
この劇的な変化をもたらした原因は、ひとつしか考えられない。新しいテクニカル・ディレクター、フィリップ・ダルアンだ。シャトー・ブラネール・デュクリュを驚くべき品質のワインへと向上させた彼が、ムートンに移籍すると初めて聞いたのは、2003年の春だった。その時の彼の表情からは、並々ならぬ意気込みが感じられた。「これでムートンは変わる」と思った。そしてその思いは現実になった。

数多くのムートンを飲んできた彼は、問題点を把握していた。自分ならもっとうまく造ることができるという自負があった。「前任者のパトリック・レオンは、ムートン・カデまでを含む、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・グループすべてのワインを監督していた。その中にはオーパス・ワンも、アルマヴィーヴァも、バロン・ダルクもある。世界中を飛び回り、なおかつムートンで最高の仕事をするのは無理だ。実際、彼はムートンには2週間に1回しか来なかった。だから自分は条件を出し、ネゴシアン系のワインには関与しないことにした」。

彼は2003年ヴィンテージから立ち会った。「パトリックがワイン造りを見せてやるというから、ああそうですか、と見ていた。2004年からは自分の思いどおりにやった。それまでのミディアム・ハイ・トーストの樽をやめ、ミディアム・トーストにした。選別も厳しくした」。そのことで、「今まで見たこともないほど完璧に熟したカベルネ・ソーヴィニヨンの持つ果実そのものの力」と「平均樹齢50年という古木ならではの複雑性と凝縮度」が、素直に表現されるようになった。

彼は当たり前のことをしたまでだ。しかし彼はとてつもなく重大な変化をムートンにもたらした。つまり本物の1級にならしめたのだ。

以上ワイナートより抜粋


シャトー・ムートン・ロートシルト 2013年

2013年の天候は、変わりやすく移ろいやすかったと記憶されるでしょう。
寒くて湿気の多い冬。冷涼で雨の多い春だったため、植物の循環がうまく行われず、開花にも影響を及ぼしました。対照的に、7月と8月は特に熱く日照量も多く、平均よりかなり少ない降水量でした。7月後半には激しい嵐が原因となり、38度の最高気温を記録しました。

水不足が9月も続いたことで、ブドウがムラ無く熟すこととなりました。カベルネは、とてもよい出来で、総じて糖度も十分で良質な酸味もたたえています。

ムートン・ロスチャイルドの収穫は、記録的な早さの9月30日から10月9日の間に、ファミリー企業バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドの従業員達の多大なサポートにより終えられました。従業員達は、畑に招かれ、摘み取り業者に加わりました。130名以上のスタッフ達が要請に応え、10月9日には695食が収穫者のためのカフェテリアでサーブされ、これは空前の記録となりました。

丹念に選果され、ブドウは柳カゴから、ムートン・ロスチャイルドの非常に大きなバット・ルームの中の重量供給された桶に運ばれました。主要な変革の中でも、透明な桶用のフタを用いることで、技術スタッフは発酵の過程を微細に観察することができます。

収量は、過去40年の中でも最も少ない部類に入りますが、厳格な選定により高い品質が保たれました。2013ヴィンテージは、ブドウを最高のものに仕上げるために注意深く取り扱われ、造り上げられ、調整されてきました。

2013ヴィンテージのラベル用イラストレーションは、リ・ウーファン氏(1936年生まれのアーティスト・フィロソファー)に託されました。彼は、天然の素材とシンプルな形状を好み、瞑想、壮大なパワーを有する彼の魅力を織り込むこと、調和と抑制といった、人々を魅了する効果を創造しています。ムートンのための彼の作品の中では、最初ははっきりとしない紫色の線描が、徐々に鮮やかさに満ちたものとなり、それはちょうど醸造所の神秘の中で、ひたすらにその完成形へと向かっている偉大なワインのようです。